“億り人”夫婦が教える「老後必要経費」のリアル
“人生100年時代”といわれる中、老後資金はしっかり準備しなければなりません。
でも、100歳まで元気でいられる補償はなく、要介護になれば費用もかさむので、いったいどのくらいの老後資金が必要になってくるのでしょうか?
■生活スタイル別! 老後に必要になる資金とは?
夫は元自衛官で現トレーダー、妻は元教師、資産運用によって1億円以上の資産を築いた“億(おく)り人”である億りん夫婦は、資産運用についての必要な情報をTwitterやブログなどで発信しており、資産運用の極意など情報交換を共有するコミュニティの運営も行っています。そんな億りん夫婦によれば、老後に必要になる資金は「現在の生活支出を算出し、その生活水準を上げないことを前提に計算をしていく」のだとか。
例)
家賃:70,000円、水道光熱費:13,000円、食費:36,000円(1,200円/日)、通信費:12,000円、洋服代:5,000円、日用品:3,000円、医療費:9,000円、娯楽費:20,000円、交際費:20,000円
1ヵ月の生活費が計19.3万円の場合、「これと同じ水準で65歳から85歳までの20年生活をするには、4,632万円が必要となります。現在の年金制度によって1ヵ月5.5万円が払われる場合には3,312万円です」
これを基本に、さまざまなケースをみていきましょう。
●自宅暮らし(夫婦2人、1人)の場合
「自宅暮らしの場合は家賃が大きくマイナスになりますが、管理費や住宅修繕費で月に3万円くらいは必要となります」
★1人──年金なし:3,672万円、年金5.5万円あり:2,352万円
★夫婦2人──年金なし:6,211万円 年金5.5万円:4,320万円
●在宅介護の場合
要介護になった場合には介護費用がかかるため、さらに必要な老後資金は上がります。まずは、在宅介護。「介護レベルなどにもよりますが、生命保険文化センターの『平成30年度生命保険に関する全国実態調査』によると、一時的費用の平均額は約69万円となっています。また、その他にも平均して月額7.8万円がかかってきます」そうです。
★80歳から要介護状態──5年:560万円、10年間:1,030万円、20年間:1,920万円
「これが、先ほど算出した老後資金の他に、必要になります。しかし、国の政策として介護職の賃金アップの方針が示されているため、費用はより多く試算する必要があります」
●特別養護老人ホームに入居した場合
東京都練馬区の、ある平均的な費用の介護付き有料老人ホームに、85歳のときに要介護2で入居し、87歳で要介護3へ変更となり、90歳でご逝去された場合の推定費用を以下に試算します」
★1か月あたりの費用383,798円×36か月(3年)=総額1,381万6728円、5年間の合計費用は2,249万7552円
「特別養護老人ホームの場合、料金はピンキリですが、一般的なグレードの施設でも上記のような金額はかかると思われます」
■健康も資産もコツコツ長期投資を!
老後資金は、要介護になるとびっくりするくらいの額が追加で必要になることが分かりましたね。億りん夫婦は、次のようにアドバイスします。
「なんといっても予防医療が大切です。私たちも夫婦そろって健康には気を使っています。それは、健康であることの経済面へのメリットを熟知しているからです。とくに生活習慣病に分類される、脳血管疾患・糖尿病・心疾患などは、治療が長期に渡り医療費が高額になります。また、身体麻痺による介護への移行、透析治療の必要性が生じ、その経済的な影響ははかりしれません。
疾病を抱えたまま老後の長い時間を過ごすのは、老後資金の枯渇に直結します。治療費にばかりお金がかかって食べるのもやっと。十分な介護も受けられず、自宅で家族の負担になりながら余生を過ごす。そんな暗い未来が待っています。
できるだけ長く健康でいる。それは、老後の資産を蓄える長期投資と同じです。健康も資産も、コツコツとした積み重ねでやっと手にできるものなのです」
健康寿命を延ばしながら老後資金はしっかりと試算しておき、必要額をコツコツ準備したいものですね。
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