都内最大規模の団地から、大型マンションへ 3世代にわたって愛された「石神井公園団地」のこれから
東京都内最大規模の団地として歴史を刻んだ「石神井公園団地」(東京都練馬区)。
東京でもっとも古い団地のひとつだったが、老朽化等に伴いマンションに建て替えられる。
解体工事の開始に伴って「団地お別れイベント」が開催されるなど、住民らに愛されていた元の建物は、21年3月に解体が完了。
そして7月12日。新築工事の着工に向けて、更地になった敷地の一角で地鎮祭が執り行われた。
老朽化・住民の高齢化により建て替え決定
石神井公園団地は、1967年に日本住宅公団(現在の都市再生機構)から分譲された。
敷地面積は4万2365平米。全9棟地上5階建てで、総戸数は490戸。西武新宿線の石神井駅と西武新宿線の上石神井駅の中間に位置し、交通利便性に優れていると同時に、近隣には神井公園や石神井川といった豊かな自然にも恵まれている。
ただ、建物や給水管・排水管などの設備の老朽化や、団地内にエレベーターがないことなどから高齢の住民らが将来に不安を感じていることにより、07年から団地の建て替えの検討が始まった。19年には、団地の住民である「区分所有者」から90%を越える賛成を得て、建て替えが決定。
20年10月には「お別れイベント」が開かれ、団地のシンボルである給水塔の解体工事が行われた。
長年の住民であり、団地マンション建替組合の理事長を務める黒河内剛さんはイベントで、
「給水塔は我々の誇り。この下で夏祭りを35 回開いた。多くの思い出があるが、今回の解体にあたり、夢を持って、未来に向けて進んでいきたい」
とコメント。オンライン上でその様子を見守った住民たちと、団地との別れを惜しんでいた。
そして21年3月、建物の解体が完了。かつて団地があった場所は、更地になった。
3世代にわたって愛された団地
昭和・平成・令和と3世代にわたって住民に愛されてきた石神井公園団地は、地上7〜8階建て8棟・844戸のマンションに生まれ変わる。22年春にマンションの販売を開始し、23年9月に建物が完成する予定だ。
建替事業には、東京建物と旭化成不動産レジデンス、URリンケージが参画。7月12日には新築工事着工に伴い、石神井公園団地マンション建替組合理事長の黒河内剛さんらとともに、地鎮祭を行った。
新しいマンションは、どんな場所になるのだろう。
黒河内理事長は「新たなマンションでも、東京都の緑化率を守り、近隣の方々が散策できるような場所にしたいと思っております」と挨拶していた。
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