銭湯は裏切らない!立川談志師匠が愛した大泉学園にある宮造りの銭湯「たつの湯」
今回訪れた銭湯は、西武池袋線大泉学園駅から徒歩で20分ほど。
ちょうど、大泉学園駅と武蔵関駅(西武新宿線)を直線で結んだ中間地点に位置する銭湯「たつの湯」。
昭和39年当時、畑だったところに初代の龍五郎氏が「たつの湯」と名付け、いまも薪で浴場のお湯を沸かしている昔ながらの銭湯である。
縦に長くのびた煙突は遠くからでも良く確認できる。
建物は一見木造に見えるが、鉄骨で組まれているとのこと。
薄いピンク色がなんとも可愛らしい宮造りの銭湯。
まるでそこは竜宮城への入り口か…と思えるような雰囲気を醸し出している。
入口から入ると、靴箱が並び、男女わかれた入口。
脱衣所に入ると感じられるのが、スペースの広さ。
豊宏湯のように天井が高いこともあり、開放的な空間となっている。
脱衣所には56個の鍵付きロッカーがあり、中庭的なスペースに椅子が2つあって涼むことができる。
そのまま、浴室に入ると、広い広い浴槽がドーンとひとつ。そして、その直上に大きくドーンと描かれたペンキ絵がひとつ。
男湯には赤富士。女湯には華厳の滝が描かれている。
ふとペンキ絵の隅に目をやると2021.10.4という文字。
つい最近塗り替えたばかりではないか。
―(自分自身が)入浴していて、周りを見まわしたときに全体が綺麗じゃないと嫌なんだよね。いつだって入浴しているときは爽やかでありたいじゃない。汚いのは嫌。だからどこかが傷む前に直すんだ。
そう語る二代目ご主人。
ペンキ絵もボロボロになる前にと、2年ほどで塗り替えをお願いしているという。
筆者自身、銭湯に行くたびに、ペンキ絵に何を書くか誰が決めているのか。絵師が雰囲気できめているのか?これだけの大きなペンキ絵は一体どのくらいの日数がかかるものなのか。などなどいつも気になっていたのだが、今回は取材ということもあり、遠慮なくご主人にきいてみた。
尋ねてみると、ご主人が絵師に伝えているということ。少なくとも、「たつの湯では」ご主人によるリクエストにより描く題材が決まるらしい。そして、何よりも驚いたのが、1日で描き上げるということ。
そりゃ、何日もかかっていたらそれだけの日数分、お店を閉めていなければならないが、1日で描き上げ、もう1日で乾燥させ、3日後にはお店を開けたという。
それは、なんという早業!
さて、話は戻って、実際に白色の壁に映える赤富士の下でお湯をかき回してみる。
男湯も女湯もいい湯加減で熱すぎない。
未だ井戸水を使っているというが、そのせいか指をつたう湯がまろやかに感じられる。
きらきらと光る浴槽。
ここには、立川談志師匠も生前はよくこられていたという。
仕事が落ち着く年末はそこそこの頻度でくることが多かったとのこと。
山城新伍さんなど大泉学園に東映の撮影所がある関係で、さまざまな芸能関係者がきていたという。
もともとは夕方からの営業だったという「たつの湯」。
今は、14時から店を開けている。
契機となったのは2011年の東日本大震災。
明るい時間にお客さんが帰ることができるようにとの配慮から営業時間を前倒ししたという。そのまま、今日に至るまで14時開店。
それを、家族4人で回すというのだから大変なのはいうまでもない。
休みたいときはないんですか?
そんな質問を投げかけてみると、
―なぁに、月曜日は毎週休みだからさ。
とはいうものの、これだけの広い施設を家族だけでまわしているというから驚きである。
立川談志が愛した銭湯「たつの湯」
いい銭湯でした。
営業時間:14時00分~23時00分
住所:練馬区石神井台6−19−26
アクセス:西武池袋線大泉学園駅から徒歩約20分
関連記事
コメント ( 0 )
トラックバックは利用できません。
この記事へのコメントはありません。