としまえん跡の「ハリー・ポッター」新施設開業に高まる機運
2020年8月に閉園した東京都練馬区の遊園地「としまえん」の跡地に今月16日、映画『ハリー・ポッター』の新施設「ワーナーブラザーススタジオツアー東京 メイキング・オブ・ハリー・ポッター」開業に向けた機運がさまざまなところで高まっている。
施設の玄関口となる豊島園駅を擁する西武鉄道では、すでに池袋駅と豊島園駅を「ハリポタ」仕様にリニューアル、映画のメインキャラクター3人のビジュアルを用いたフルラッピング電車「スタジオツアー東京エクスプレス」も運行中だ。
イギリスの作家J.K.ローリングが生み出した一冊の本から始まった“魔法ワールド”、『ハリー・ポッター』シリーズは、1997年から2007年の間に全7巻が刊行され、2001年に映画化1作目『ハリー・ポッターと賢者の石』が公開された。全8作の映画シリーズはいずれも世界中で大ヒットを記録。『ファンタスティック・ビースト』シリーズの制作に続いている。
小説の最終巻から19年後、父親になった37歳のハリー・ポッターとその息子・アルバスの関係を軸に描かれる舞台『ハリー・ポッターと呪いの子』が2016年にイギリス・ロンドンで上演され、米ニューヨーク&サンフランシスコ、オーストラリア・メルボルン、ドイツ・ハンブルク、カナダ・トロント、そして2022年7月8日よりアジアとしては初、世界では7番目の都市となる東京公演がスタート。日本人キャストによる東京公演は、5月に総観客数 50万人を突破し、来年3月末までの公演延長も発表された。
今年2月よりリリースされた、原作小説から約190年前となる1800年代の魔法界を舞台とした、オープンワールド・アクションRPG『ホグワーツ・レガシー』は、同5月5日の時点で全世界販売数が1500万本、10億ドル以上を売り上げ、世界的大ヒットを記録している。
25 年以上にわたり、世界中の人々にインスピレーションを与え、魅了し続けている「ハリー・ポッター」の物語。とりわけ日本での人気は高く、ファストファッションブランド「GU(ジーユー)」から発売されたコラボアイテムは、4月28日に販売開始されるや否や完売するアイテムが続出。
今月7日からは、日本で約760店舗を展開する「タリーズコーヒー」とのコラボレーションの第3弾がスタート。主人公ハリー・ポッターの好物でもある“トリークルタルト(糖蜜パイ)”をモチーフにしたフローズンドリンクや、ハリーの相棒ヘドウィグのデザインを施したグッズアイテムなどを販売する。
ほかにも、ジュエリーブランド「アガット」からコラボジュエリーが今月9日から、ライフスタイル雑貨「Maison de FLEUR(メゾンドフルール)」からブランドを代表するアイテムのダブルリボントートバッグなどに映画『ハリー・ポッター』でおなじみのモチーフを取り入れた特別なアイテムを今月16日から発売するなど、さまざまなところで“ハリポタ現象“が沸き起こっている。
■「スタジオツアー東京」6月16日開業
その中心となっているのが、「ワーナーブラザース スタジオツアー東京 メイキング・オブ・ハリー・ポッター」(以下、スタジオツアー東京)だ。映画制作の裏側を体験できる施設で、2012年の開業以来いまだに予約困難なイギリスの「スタジオツアーロンドン」に続き、世界で2つ目になる。
映画でも人気のホグワーツの大広間、ダイアゴン横丁、9と3/4番線のホグワーツ特急など、実際に映画に携わったイギリスの世界最高峰のクリエイターたちが、オリジナルの手法と技術で制作した数々のセット、小道具、衣装を展示。「スタジオツアー東京」でしか見られない独自のセットがあるのも大きな魅力のひとつだ。さらに、箒(ほうき)に乗ったり、爽やかなバタービールを飲んだり、ホグワーツの動く階段エリアで実際に動く肖像画になってみたりと、実際に魔法ワールドの世界に入り込んだかのような体験もできる。
映画の世界を作り上げる大道具や小道具、音響や視覚効果など、映画製作の裏側をのぞくことができる「スタジオツアー東京」は、『ハリー・ポッター』ファンだけでなく、幅広い映画ファン、映像クリエイターからも注目されている。
また、アジアでは初のオープンとなり、地元練馬区では「世界デビュー」への期待も高まっている。同区は、区内の商店街や街路灯などに、ハリー・ポッターのシンボルの旗を飾り、周辺の飲食店も独自の“魔法”メニューを打ち出すなど、機運の盛り上げをはかっている。
「ハリー・ポッター」ファンから周辺地域まで、大きな期待を受けて、スタジオツアー東京は6月16日にオープンする。日時指定の事前予約制。2023年12月31日までのチケット販売中。
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