ゴジラ

生きて、抗え。『ゴジラ‐1.0』山崎貴が挑む絶望と希望

2023.11.3『ゴジラ-1.0(マイナスワン)』始動

いよいよ明日から『ゴジラ-1.0(マイナスワン)』が公開する。
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今さら説明は不要だがゴジラの誕生は東宝が1954年に公開した特撮怪獣映画『ゴジラ』に始まる。『ゴジラ』は当時、観客動員数961万人を記録した。
ゴジラ人気は未だ根強く、庵野秀明が脚本・総監督を務めた『シン・ゴジラ』(2016)は記憶に新しい。ゴジラ70周年記念作品となる『ゴジラ-1.0』は山崎貴を監督に迎えて、日本では通算30作目の作品となる。

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©2023 TOHO CO.,LTD.

主演は神木隆之介、ヒロインを浜辺美波が演じる。2023上半期のNHK連続テレビ小説「らんまん」で話題を集めたふたりが本作でも共演する。
また山田裕貴、青木崇高、吉岡秀隆、安藤サクラ、佐々木蔵之介など実力派俳優たちが脇を固める。

VFXの第一人者・山崎貴監督とゴジラの関係―ゴジラ・ザ・ライド

本作の脚本・監督・VFX(視覚効果)を務めるのは山崎貴。
「ALWAYS 三丁目の夕日」(2005年)や「STAND BY ME ドラえもん」(2014年)を手がけた人気監督だ。CGによる高度な映像表現・VFXを得意とする第一人者であり、一体どんなゴジラを描くのか期待は高まるばかりだ。
個人的には庵野ワールド炸裂の革新的な『シン・ゴジラ』は迫力に欠けたので、山崎監督がVFXを駆使して迫力たっぷりに描く『ゴジラ-1.0』は楽しみで仕方がない。

『ゴジラ・ザ・ライド』

山崎貴×ゴジラで知っておきたいのは、西武園ゆうえんちの『ゴジラ・ザ・ライド』だ。
私も西武園ゆうえんちがリニューアルオープンをした際に『ゴジラ・ザ・ライド』を体感してきたが、想像をこえた大興奮のスリルに度肝を抜かれた。
ゴジラのごつごつとした肌質までもがリアルに表現されているし、破壊された昭和の街並みには哀愁さえ感じた。
間近で大怪獣が襲ってくる臨場感に驚きを隠せなかったし、童心にかえり楽しむことができた。(電車が吹っ飛んできたり戦車が風船で空を飛んだりとアトラクションとしても面白い)

ゴジラ・ザ・ライド(夕陽館)の外観

ゴジラザライド

私が訪れたのもちょうど11月

そんな『ゴジラ・ザ・ライド』を手掛けた山崎監督が、本作では一体どんなゴジラを見せてくれるのであろうか。
今作について「怪獣映画の本丸に攻め入る恐ろしさと興奮に幾分震えています」と語っており、作品にかける監督の意気込みを感じる。

『ゴジラ-1.0』あらすじ

太平洋戦争が終結し多くの都市部が焦土と化した日本は“無(ゼロ)”となっていた。
日本へと帰還した敷島浩一(神木隆之介)は両親の死に絶望しながらも懸命に生き抜く。

そんな中、東京で一人生活する大石典子(浜辺美波)と出会う。

喪失の中立ち上がろうとする日本に上陸し再び襲うのは巨大怪獣ゴジラだった。
瓦礫と化した都市の残骸でさえ容赦なく破壊していくゴジラに、人々は絶望と恐怖のどん底へと突き落とされる。

戦後の日本は“無(ゼロ)”から“負(マイナス)”へ

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©2023 TOHO CO.,LTD.

そもそもゴジラとはどんな怪獣なのか?

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ゴジラは「放射能の影響により誕生した生物」という認識が通説。
初代のゴジラ(1954)はビキニ環礁の核実験が社会問題とされていた時代に誕生した。
ゴジラは水爆実験により住む場所を奪われた古代生物の生き残りとされている。水爆エネルギーを全身に充満させた巨大怪獣となって人類に襲いかかる。自然を破壊し続ける人々への警鐘の象徴ともいえるであろう。

※しかし、作品により誕生の理由が異なることもある。

過去作ゴジラとの関係性は?

1954ゴジラ2
1954年に公開されたシリーズ1作目『ゴジラ』の時代背景は、終戦から9年後であった。戦後から人々は立ちあがり生活もようやく安定してきたころが舞台となっている。
そして今回の『ゴジラ-1.0』は終戦直後1945年ごろが舞台とされている。時代設定が近いため何らかの関係があるのではないかとされている。
もちろん全く新しいゴジラとも考えられる。

『ゴジラ‐1.0』のみどころ

人々をどん底に突き落とす大怪獣ゴジラそのものが見どころといっていいであろう。

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©2023 TOHO CO.,LTD.

「生きる」という言葉がキーワードとなる今作。
戦争で傷つき再起を誓う中での破壊は心までへし折ってしまうであろう。
そんな絶望の中立ち向かう人々の姿が、今現在の先行き不安な日本社会を生きている私たちの心にも響きわたるはずだ。
山崎貴監督はどんなメッセージを我々に託すのであろうか。

「生きて、抗え。」
我々人類の永遠のテーマともいえる。

『ゴジラ-1.0』は映画館の大スクリーンで鑑賞してこそ、その真価がわかる作品であることに間違いはないであろう。劇場でこの恐怖と絶望を-そしてその先の希望を体感しないわけにはいかない。

映画『ゴジラ-1.0』公式サイト

https://godzilla-movie2023.toho.co.jp/

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