
「エッフェル姉さん」はなぜ炎上しなければならなかったのか?自民党女性局のパリ視察ポーズにみる庶民との乖離
気になる「流行語大賞」ノミネート
先日「流行語大賞」の候補が発表された。
I’m wearing pants!(アイム・ウェアリング・パンツ)
憧れるのをやめましょう
NGリスト/ジャニーズ問題
生成AI
チャットGPT
これらノミネートされた言葉の意味や背景などは理解できるとしても、どうも年々ピンとくるものが少なくなっている。それは私が社会と距離をおいた場所にいるからであろうか。まあ、それはそれでよい。
しかし、生成AIなどの「単語だけ羅列して流行語というのはやめましょう。」(大谷風に)
その昔、宮沢りえの「すったもんだがありました」という流行語があったと思うが、そのぐらい言葉として面白味のあるモノを流行語として定義づけてほしいものだ。(だから、新語・流行語となっているのだが)
今回ノミネートされた中で個人的に気になったのは「エッフェル姉さん」。エッフェル塔前でポーズを取りSNSで投稿したという自民党女性局議員らはいつのまにそんな呼ばれ方をされていたのか。そのネーミングセンスに笑ってしまった。
しかし、彼女らはなぜそこまで炎上したのだろうか?ここで少し考えてみたいと思う。

松川るい氏の“X”に投稿された写真
日本の衰退と経済的困窮
失われた30年。日本人の平均賃金は今や先進国では最低クラスにまで落ちてしまった。なぜこれほどまでに、この国は低賃金の国になってしまったのか。それについてはここでは割愛させて頂く。
賃金はあがらないのに、消費税に所得税や住民税、そして社会保険料など何もかもが値上がっている。そこへ追い打ちをかけるようにエネルギーやガソリンなどの価格も上昇、食品などの物価も高騰し続けている。ほとんどの国民がじり貧状態といってもよい。
この国の衰退ぶりと経済的困窮、自民女性局のパリでの浮かれた姿との乖離が庶民の神経を逆なでしたことに間違いはないであろう。
庶民感覚との乖離
ほんの少し前までの日本人なら海外旅行は誰でも気軽に行けたかもしれない。旅行代理店なども破格のツアープランをいくつも打ち出していた。かくいう、私も数年に一度のペースで海外旅行を楽しんでいたひとりである。
しかし、コロナ禍を経てウクライナ侵攻も長引いた今、円安も手伝い海外旅行は日本人にとってはとてつもなくハードルの高い贅沢なものへとなってしまった。コロナが落ち着いた今でも、日本人の海外旅行者数は戻らないときく。
卵1パック買うのに少しでも安い店でと自転車を走らせる人がいるという中で、エッフェル塔前でのあの浮かれたポーズは庶民の逆鱗に触れたのであろう。
しかもフランス視察に行った議員たちの実質的な仕事時間は6時間でしかなかったこと。松川氏が娘まで同行させていたことなども炎上要素のひとつであろう。

松川るい氏の“X”に投稿された写真
政治家による“庶民感覚の欠如”はたびたび炎上している。故・安倍元首相が国会中継で「安倍家の収入」の例え話をした時、妻の月収を「パートで25万円」と述べたことに私も少しの怒りを覚えた記憶がある。
エッフェル姉さんに言えること
ここでひとつ気になるのは女性局議員たちが仮に「四国に視察」だったのなら、ここまで炎上しなかったのではないか。
このご時世、エッフェル塔前で浮かれたポーズで写真を撮りSNSにアップできる経済的余裕のある人間が一体、どれだけいるのであろうか。政治家というのは世の中の感覚と空気をもっと知るべきだ。
花の都パリ。我々、日本人にとってはこの先も遠い国であることに変わりはないであろう。
もし、彼女らが本場讃岐うどん店の前でポーズを撮りSNSにアップしたとしたら、ここまで炎上することはなかったと感じるのは私だけであろうか。




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