
朝井リョウの衝撃作―映画『正欲』がついに公開!傑作か、問題作か―
朝井リョウの衝撃作『正欲』の映画化
この秋は邦画の勢いが止まらない。
今回、編集部で紹介するのは明日からの公開を控える「正欲」。
人気作家朝井リョウが作家生活10年目の節目に発表した小説で、第34回柴田錬三郎賞を受賞した衝撃作が原作となる。監督には『前科者』の岸善幸を迎える。

©2021 朝井リョウ/新潮社
「正欲」のあらすじ
令和に変わってまもなくしたある日。とある事件が発生し3人の容疑者が逮捕された-
それぞれに生きにくさを抱えた5人の群像劇。
家庭環境、性的指向、容姿―何もかもが異なる背景を持つこの5人の人生が-事件をきっかけに交差していく。
「正欲」の登場人物
寺井啓喜(稲垣五郎)

©2021 朝井リョウ/新潮社 ©2023「正欲」製作委員会
桐生夏月(新垣結衣)

©2021 朝井リョウ/新潮社 ©2023「正欲」製作委員会
佐々木佳道(磯村勇斗)

©2021 朝井リョウ/新潮社 ©2023「正欲」製作委員会
諸橋大也(佐藤寛太)

©2021 朝井リョウ/新潮社 ©2023「正欲」製作委員会
神戸八重子(東野絢香)

©2021 朝井リョウ/新潮社 ©2023「正欲」製作委員会
正欲のみどころ
朝井リョウは時代を読み解く力にずば抜けて長けている俯瞰力のある作家だ。
息苦しいこの時代を生きる人々の心を激しく混乱させ揺り動かしてくるだろう。
家庭環境、性的指向、容姿―全ての人間のその背景は異なるものだ。
協調性や同調圧力といった日本特有の違和感にようやく気づいた私たちが「多様性」を問い始めて久しい。
しかし、「多様性」と叫ばれるこの社会は本当に生きやすいのだろうか?
“価値観”や“多様性”という呪縛のような言葉が私たちを襲いかかる。この物語は、その人となりの信念を破壊してくるであろう。
観る人によってはまったく共感できないかもしれない。あるいは自身を投影させてしまうかもしれない。
誰ともつながれない、だからこそ誰かとつながりたい、
つながり合うことを希求する彼らのストーリーは、この世界を生き延びるために大切なものを気付かせてくれるのであろうか。
観る前と観た後では、価値観がひっくりかえる衝撃作であることに間違いはない。
「多様性」とは何か?
「正義」とは何か?「正しい欲」とは何か?
「正しい」とは何か?心して観るべき作品だ。
映画『正欲』公式サイト
https://bitters.co.jp/seiyoku/
その後、2013年『何者』が直木賞を受賞。当時、平成生まれ初の直木賞作家(男性)が誕生した。
映画監督の是枝裕和と同期で、テレビマンとして活躍した後、2016年に映画初監督作『二重生活』が公開。




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