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AV女優の子どもは幸せになれないのか?母親は神聖であるべきという呪縛―元AV嬢で双子のママとなった蒼井そらへの誹謗中傷はなぜ消えない―

1万年に一人の逸材としてAVデビュー

蒼井そら。
この名を知らない男性はいないのではないかと思う。
「1万年に一人の逸材」として渋谷でスカウトされ、2002年にAVデビュー。
引退後もタレントとして活躍し中国では絶大な人気を誇る。

蒼井そら

©oriconnews

実は、蒼井そらがまだ現役で活躍していた頃にお逢いしたことがある。いや、お逢いしたというよりかは見かけたという方が正しい。私が勤めていた会社に蒼井そらがやってきたのだ。

その時の印象を少し話したいと思う。
黒髪で小柄で派手さはなかった。遠くから眺めても美少女ということがわかりAV女優をしているようには見えなかった。
私が驚いたのは質問を受けた時のレスポンスがとても早く周囲を笑わせていたこと。彼女の倍は年齢を重ねているであろう一流大卒の大人を相手にしても動じず、芯がありそうで頭の回転が速い子という印象だ。
(※こちらは20年近く前の話であり一個人が感じた印象であることを了承して頂きたい。)

やまないAV女優へのバッシング

そんな蒼井そらが数年前、双子のママになったということを知った。ひとりでも子育ては大変だというのに、一気に二児のママになったというのだから立派である。心の中で彼女にエールを送った。

しかし、「AV女優の子どもは絶対に幸せになれない」とたくさんの誹謗中傷を受けたという。まったく余計なお世話である。彼女も大きなショックを受けたし誹謗中傷に慣れることは絶対にないと語っている。

なぜ、AV女優に対する誹謗中傷は消えないのだろうか?旧ジャニーズの松本潤がAV女優葵つかさと井上真央とのあいだで二股騒動に沸いた時も、バッシングの矛先は松本ではなく葵つかさだった。(まあ、こちらは松本ファンの妬みであるのだろうが…)

母親とは神聖であるものという勘違い

話を蒼井そらに戻そう。
彼女はなぜ、出産したことで誹謗中傷を受けなければならなかったのか?この真理を編集部なりに紐解いていきたいと思う。

蒼井そら2




©山元茂樹/文藝春秋

まずは世間一般が抱く母親のイメージから考えてみよう。
母親とは聖母マリアのような神聖化したものという考えが根付いているからではないだろうか。
母親はいかなるときも子どもの犠牲になり、正しいことを行わなければならない。AV女優が母親になることへの誹謗中傷は、もはや化石ともいえる固定観念に縛られている人間がまだいるという紛れもない事実を語っている。

一般的に母親が自分の幸せや願望を口にすると、世間からは『なんて母親だ』『子どもがいるのに』と言われてしまう。
清廉潔白であり、なにかを犠牲にすることが“母の愛や美徳”だと勘違いしているのだ。
そんな人たちにとって、前職がAV女優だなんて言語道断であり「AV女優の子どもは可哀想」というわびしい発想に繋がるのであろう。

誹謗中傷の多くは女性からだと考えられるが、もしかしたら彼女らも「母親は神聖であるべきという固定観念に縛られた気の毒な立場」にいるのかもしれない。今の時代は身を削り何かを犠牲にすることが、母の愛とは限らない。
もちろん、思春期となった息子が「母親は若いころAV女優だった」という事実を知った時は多少なりともショックを覚えるであろう。しかし、その時の覚悟はきっと彼女にはできているように思う。

出自による差別や偏見のない社会を

しかし、すべての子どもが恵まれた環境で生まれ育ち、自分の親は聖人君子のように立派な人間だと胸を張って言えるはずもない。
前職が何であろうと愛情を注ぎ赤ちゃんの頃からお世話をし育てたことは紛れもない事実だ。たとえ母親が元AV女優と知ったとしても、彼女の息子たちは臆せず堂々としていればよいと思う。

差別や偏見がなく「どんな出自の子でさえも胸を張って生きられる社会を作る」ことこそが、未来を生きる子どもたちへ託すべき大人の課題であろう。

3人目妊活中という蒼井そらの強さ

蒼井そらはこう語っているという。
「今の私ができることは、“そのとき”に備えて子どもとしっかり関係性を築いておくことかなって。私自身「蒼井そら」をやめる気はないですし、過去は消せないですから。」
(文春オンラインインタビューより抜粋)

また、今は妊活中だという。自分が5人きょうだいで育ったから子どもはいっぱいほしいのだそうだ。
誹謗中傷に負けず、自分の意思やスタイルをとことん貫く彼女の強さから見習うべきことは多いだろう。

蒼井そらオフィシャルブログ『今日のSOLA模様』

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