令和元年 第四回定例会 所信表明

 所信に先立って申し述べます。
 天皇陛下におかれましては、10月22日、「即位礼正殿の儀」を挙行され、即位を宣明されました。練馬区民を代表して、謹んでお慶び申し上げます。
 改めて、永い日本の歴史に思いを致し、国民が支えてきたこの国のかたちに、深い感慨を覚えた次第であります。

はじめに

 令和元年第四回練馬区議会定例会の開会にあたり、区政運営に対する所信の一端を申し述べ、区議会並びに区民の皆様のご理解とご協力をお願いしたいと思います。

 はじめに、台風災害について申し上げます。
 本年9月以降、台風15号、19号、これに引き続く大雨により、関東地方をはじめ広範な地域に甚大な被害がもたらされました。犠牲となられた方々に哀悼の意を表しますとともに、被災された皆様に心からお見舞いを申し上げます。
 千葉県南房総市には、被災直後に緊急支援物資をお届けし、長野県上田市には、災害復旧を支援するため、土木技術職員を派遣しています。
 台風19号では、練馬区全域に初の「大雨特別警報」発令と、これに伴うJアラート発報がありました。問い合わせへの対応に忙殺され、警報発令のあり方が課題となりました。また、保育所やごみ収集など施設・事業の継続可否の判断、避難所開設の判断と周知、避難情報の伝達方法、暴風対策の周知、災害時広報のあり方など、様々な課題が浮き彫りになりました。
 地球温暖化の影響により、近年、台風が大型化しています。台風15号による暴風災害、台風19号などによる豪雨災害は、これまでの想定をはるかに超えるものでした。
 こうした事態への備えを欠かすことの出来ない時代に入っているのです。早急に検討し、今年度中に取りまとめる災害対策再点検結果に加えるよう指示しました。天災に先手を打つ「攻めの防災」を更に進めてまいります。

子どもたちの笑顔輝くまち

 次に、子どもたちの笑顔輝くまちについてです。

第2期練馬区子ども・子育て支援事業計画の策定

 「第2期練馬区子ども・子育て支援事業計画」の策定についてです。
 本年10月からの幼児教育・保育の無償化による需要の増加を考慮した、今後5か年にわたる需要見込みと供給計画を示しています。
 保育所については、これまで全国トップレベルの定員増を実現してきました。今後は、地域及び年齢ごとの需要とともに、将来の少子化トレンドも考慮し、保育所整備を進めます。
 学童保育の需要は、今後、急増すると見込まれます。子どもたちが安全に放課後を過ごす居場所を作ることが重要です。ねりっこクラブの早期全校実施などの取組みを進めていきます。

安心を支える福祉と医療のまち

 次に、安心を支える福祉と医療のまちについてです。

練馬区地域福祉・福祉のまちづくり総合計画の改定

 「練馬区地域福祉・福祉のまちづくり総合計画」の改定についてです。
 これまでの計画に、新たに成年後見制度を盛り込み、名称を「練馬区地域福祉計画」に改めます。
 成年後見制度は、平成12年に介護保険制度と同時にスタートしましたが、その利用は未だ少ない現状にあります。これを打開するため、来年度から、練馬区社会福祉協議会を、相談・支援や周知・啓発、ネットワークづくりなどの中心的な役割を担う中核機関とします。併せて、法人後見を開始するとともに、法人後見に取り組むNPO法人等の支援を行います。また、市民後見人を養成し、選任された方の業務をバックアップします。
 団塊の世代全てが後期高齢者となる令和7年に向けて、成年後見制度の利用拡大に取り組んでまいります。

練馬区健康づくり総合計画の改定

 「練馬区健康づくり総合計画」の改定についてです。
 健康づくりは、区民一人ひとりが自ら取り組むものであり、区は地域と協働しながら応援することが基本です。こうした視点から、名称を「練馬区健康づくりサポートプラン」に改めます。
 施策の柱を世代別から分野別に変更し、多胎児家庭へのサポート、フレイル予防、妊婦健康診査を活用した生活習慣病予防、がん患者・家族の支援などに取り組みます。

順天堂練馬病院・練馬光が丘病院の進捗状況

 順天堂練馬病院では、増築工事中の外来棟が来月完成し、1月から診療が開始されます。診察室の増加、待合室の拡張など外来診療の環境が一層充実します。既存病棟は、本年7月から、医療機能の拡充と90床増床の改修工事に着手しており、来年度末に完成する予定です。
 練馬光が丘病院は、急性期機能の拡充で15床、新たに整備する回復期病床で100床を増床し、令和4年度中の開院を目指し、来年度早期に建設工事に着手する予定です。本定例会に、旧光が丘第四中学校敷地の無償貸付けに関する議案を提出しています。

安全・快適、みどりあふれるまち

 次に、安全・快適、みどりあふれるまちについてです。

練馬区環境基本計画2020の策定

 「練馬区環境基本計画2020」の策定についてです。
 みどりの風吹く豊かな環境のまちねりまを実現するため、「みどり」「エネルギー」「清掃・リサイクル」「地域環境」の4分野を設定して、施策に取り組んでまいります。
 今回の策定に当たっては、近年、自然界への大量流出が世界的な問題となっているプラスチックごみへの対応を強化しました。
 まずは、率先して、区役所自身が行動するため、速やかに、削減の指針を策定します。庁内の売店、食堂でのレジ袋など包装容器やストローを原則として廃止し、ペットボトルについても、会議での使用を廃止するなど大幅に削減します。イベント等の配布物なども同様に扱います。
 商業団体や産業団体など各種団体に対しては、削減協定の締結と小売店やコンビニでの小型マイバッグの利用促進を働きかけます。
 区民の皆様には、地域や集積所単位の「青空集会」「ふれあい環境学習」など様々な機会をとらえて、マイバッグやマイボトルの使用など、発生抑制の手立てをはじめとして、環境問題についての意識啓発に取り組みます。また、現在検討中の「資源・ごみ分別アプリ」による啓発や、新しい「つながるカレッジねりま」でのリーダー育成などに取り組んでいきます。
 Think Globally Act Locallyという言葉があります。区独自で出来ることには限界がありますが、プラスチックの削減に、地道に、しかし着実に取り組んでまいります。

いきいきと心豊かに暮らせるまち

 次に、いきいきと心豊かに暮らせるまちについてです。

練馬区立美術館の再整備

 練馬区立美術館の再整備についてです。
 区立美術館は、独創的な企画展により高い評価を得ています。開館から34年が経過し、改修の時期を迎えていますが、収蔵品の活用や大規模企画展の開催には、スペースが不足しています。サンライフ練馬など周辺の区立施設と合わせて拡張し、大規模企画展、重要文化財や国宝などを鑑賞出来る場としたい、美術の森緑地と商店街・駅へと続く動線を一体化して、美術館を核とした街並みを実現したい、とかねてから考えてきました。
 こうした方針のもと、みどり豊かな都市の環境を活かした新しい美術館へと生まれ変わらせるため、秋元(あきもと)雄史(ゆうじ)美術館長を委員長とし、元文化庁長官の青柳(あおやぎ)正規(まさのり)さん等の有識者、地元の代表者などで構成する「基本構想策定検討委員会」を設置しました。委員会は、2か年にわたり、精力的な議論を重ね、今月、「まちと一体となった美術館」、「本物のアートに出会える美術館」、「併設の図書館と融合する美術館」をコンセプトとする提言を取りまとめました。提言をもとに、来年度、区としての「美術館再整備基本構想」を策定する考えです。

区民とともに区政を進める

 次に、区民とともに区政を進めるについてです。

「パワーアップカレッジねりま」のリニューアル

 地域のために活動したい区民を後押しするため、「パワーアップカレッジねりま」を、来年度から「つながるカレッジねりま」にリニューアルし、これまでの地域福祉分野から、福祉、防災、農、みどり、エコスタイルの五分野に拡大します。
 地域活動を実践している区民の皆様のご協力を得て、町会・自治会等の活動を体験するプログラムや、担い手として必要なスキルを学ぶ講座を実施します。また、区民協働交流センターの体制を強化し、町会・自治会やNPOなど、人材を求める団体とのマッチングを進めます。

練馬区公共施設等総合管理計画(実施計画)の改定

 「練馬区公共施設等総合管理計画(実施計画)」の改定についてです。
 区財政を取り巻く状況が厳しさを増すなか、老朽化が進む公共施設を適切に維持・更新していくためには、社会状況の変化を踏まえ、長期的な視点に立って、施設や機能のあり方を見直し、機能転換や統合・再編、複合化などを進める必要があります。「美術館の再整備にあわせた中村橋駅周辺施設の統合・再編」、「練馬春日町駅周辺施設の統合・再編」などをリーディングプロジェクトとしてお示しします。また、施設の長寿命化にも取り組み、目標使用年数を80年に延長するための判断基準を明らかにします。
 施設の特性や業務内容に応じて、区が直営で実施すべきもの、民間委託すべきもの、民営化すべきものなど、適切な手法を選択していきます。安定的・継続的に運営されている高齢者福祉施設や障害者福祉施設など、民営化の対象となる施設については、進め方をお示ししたうえで、計画的に取り組みます。
 なお、これまで述べた各計画は、来月素案を公表し、区議会並びに区民の皆様のご意見を頂いたうえで、年度内に成案とします。

おわりに

都知事との意見交換

 先月、都庁で、小池都知事と区政の課題について意見交換を行いました。私から、少子高齢化への対応や施設の更新など23区共通の課題に触れたうえで、練馬区特有の課題である「都市計画道路の整備」、「西武新宿線の連続立体交差化」、「大江戸線の延伸」を、都として積極的に進めるようお話ししました。
 これに対し、知事から、「都市計画道路事業及び西武新宿線事業は着実に推進していく」、「大江戸線の延伸は、事業化に関する検討を進めており、引き続き、練馬区と連携しながら進めていく」との発言がありました。
 大江戸線延伸について、初めて知事自身から、都としての明確で積極的な回答を頂きました。「西武新宿線の連続立体交差化」、「都市計画道路の整備」についても更に前進したと考えています。今後とも引き続き、都と連携しながら、全力で取り組んでまいります。

世界都市農業サミットの開催

 いよいよ、明後日から3日間、「世界都市農業サミット」を開催します。
 これまで、区議会の皆様のお力添えを頂きながら、農業者、区民、参加5都市の皆様とともに、精力的に準備を進め、また、毎週のように機運醸成イベントを開催してきました。都市農業の魅力と可能性を世界に発信し、練馬の都市農業の更なる発展の契機としてまいります。
 
 なお、本定例会には、これまで述べたものを含め21件の議案を提出しております。よろしくご審議のほど、お願いいたします。
 以上をもちまして、私の所信表明を終わります。

お問い合わせ

区長室 秘書課 秘書担当係

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電話:03-3993-1111(代表)

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引用元:練馬区公式ホームページ

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