元農水次官の弁護人が控訴 実刑判決不服

 東京都練馬区の自宅で6月、長男を刺殺したとして殺人罪に問われた元農林水産事務次官の無職、熊沢英昭被告(76)の弁護人は25日、懲役6年(求刑懲役8年)とした1審東京地裁の裁判員裁判判決を不服として控訴した。熊沢被告は起訴内容を認め、弁護側は執行猶予付き判決を求めていた。


 熊沢被告は公判で、事件当日に長男の英一郎さん=当時(44)=に「殺すぞ」と言われ、「夢中でもみ合い、殺されるという気持ちで刺した」と主張していたが、判決は「供述は信用性に乏しく、ほぼ一方的に攻撃を加えたと認められる」と退けた。

 弁護側は25日、控訴した理由について、熊沢被告はとっさにやむを得ず殺害に及んだと指摘。「本人は罪を償う意向があったが、適切な量刑の判決に服することが本当の償いになると伝え、了解も得て控訴に至った」とコメントした。

 熊沢被告は20日、保釈保証金500万円を納付して東京拘置所から保釈された。殺人罪で実刑判決を受けた被告の保釈が認められるのは異例だった。熊沢被告は公判で「罪を償い、息子があの世で穏やかに過ごせるよう祈りをささげることが私の務めだと思う」と述べており、高齢であることや公判の態度などから逃亡、証拠隠滅の恐れが低いと判断されたとみられる。

 判決によると、熊沢被告は6月1日午後3時15分ごろ、自宅で英一郎さんの首などを包丁で多数回突き刺し、失血死させた。

引用元:BIGLOBEニュース

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