ノロウイルスによる食中毒に注意しましょう!
平成30年に東京都内で起きた食中毒のうち、ノロウイルスを原因とするものは28件で患者数は920人でした。ノロウイルスによる食中毒は、冬季を中心に多く発生していますが、それ以外の時期でも注意が必要です。対策のポイントを押さえて、ノロウイルスによる食中毒を防ぎましょう!
食中毒の原因で最も件数が多いのは?
平成30年は東京都内で食中毒が185件(患者数1,917人)発生していますが、このうち患者数が一番多かったのがノロウイルスによるものです(件数28件、患者数920人)。
令和元年10月15日速報値によると、東京都内で食中毒が85件(患者数616人)発生しており、このうちノロウイルスによるものは9件で患者数は168人です。
食中毒発生状況(東京都)
ノロウイルス食中毒発生状況(東京都)
食中毒発生状況についての詳しい情報はこちらをご覧ください
ノロウイルスの食中毒とは
ノロウイルスは、冬に多発する感染性胃腸炎や食中毒の原因となるウイルスです。
感染力が強いため、家族内で感染が拡大することがあるので注意が必要です。
ノロウイルスの特徴
- 人の腸内でのみ増殖し、感染力が非常に強い。
- 発症すると、ふん便やおう吐物にウイルスが大量に出ます。
- 手にウイルスがついたまま調理すると、手が触れた食品にウイルスが移っていきます。(二次感染)それらの食品を食べると食中毒に・・・
ノロウイルスの感染経路は
ノロウイルスには、食品を介して感染する場合(食中毒)と、直接感染する場合(感染症)があります。どちらも予防のポイントは、ウイルスの侵入ルートを断ち切ることです
家庭でできるノロウイルス対策
手をよく洗いましょう!
- 手を洗うタイミングは?
外から帰ったとき、料理・食事の前、トイレのあと、生ものをさわったあと等
- 汚れはどこに残りやすい?
手首、指先・つめの間、手のしわ
- 効果的な手洗いの方法は?
ねり丸の手洗い方法での二度洗いが効果的!
ねり丸の手洗いの方法
食材はしっかり加熱しましょう!
アサリ、シジミ、カキのような食材自体にノロウイルスがいる可能性のあるものは、中心部までしっかり加熱(85℃~90℃、90秒)しましょう。
加熱したものにも要注意!
加熱後でも、手や調理器具からノロウイルスに汚染されてしまえば、食中毒の原因となります。
- 予防のポイント
料理の盛り付けをする前には、よく手を洗う
調理器具はよく洗い、できれば熱湯や塩素系漂白剤を使って殺菌・消毒をする
おう吐物等は、正しく処理しましょう!
感染者のおう吐物やふん便等には、ウイルスが大量にふくまれているので、直接さわると感染する可能性があります。自分が感染しないように、あらかじめノロウイルス対策セット※を用意しましょう。また、汚物が付着した部分とその周囲は、塩素系漂白剤等で消毒し、処理後は石けんでしっかり手を洗いましょう!
- ノロウイルス対策セット
・使い捨て手袋(軍手は不可)
・マスク(ウイルスを吸い込まない為)
・新聞紙・ペーパータオル・布等(拭き取り用で捨ててもよいもの)
・エプロン等
・次亜塩素酸ナトリウム(塩素系漂白剤)
・ビニール袋(処理したものを捨てる)
・バケツ(できれば専用で)
消毒薬の作り方は?
※家庭用塩素系漂白剤(次亜塩素酸ナトリウム約5%)の場合
- ふん便・おう吐物の処理用(0.1%塩素系漂白剤)
原液100ミリリットルを水5リットルに加える(50倍にうすめる)
- 衣類・調理器具等の消毒用(0.02%塩素系漂白剤)
原液20ミリリットルを水5リットルに加える(250倍にうすめる)
製品の濃度 | 消毒や拭き取り用 0.02%(200ppm)の塩素液の作り方 |
おう吐物などの廃棄時 0.1%(1000ppm)の塩素液の作り方 |
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液の量 | 水の量 | 希釈倍率 | 液の量 | 水の量 | 希釈倍率 | |
5%(一般的な家庭用) | 20ミリリットル | 5リットル | 250倍 | 100ミリリットル | 5リットル | 50倍 |
4ミリリットル | 1リットル | 20ミリリットル | 1リットル |
注意点
- 子供の手の届かないところに置きましょう。
- 塩素系漂白剤を、おう吐物などの酸性のものに直接かけると、塩素ガス(有毒)が発生することがありますので、必ず換気をしてください。
- ペットボトルを使用する場合、間違って飲まないようにラベルに「消毒薬」である旨を大きく書いて、貼りましょう!
- 製品の「使用上の注意」をよく確認してから使用してください。また、製品ごとに濃度が異なる場合があるので、表示をしっかり確認しましょう。
- 次亜塩素酸ナトリウムは使用期限内のものを使用してください。また、作り置きをせず、その都度つくりましょう。
食品を取り扱う事業者の方へ
ノロウイルス食中毒の予防について
例年、ノロウイルスによる食中毒は、冬期に多発しており、特に11月以降は急増する傾向にあります。また、患者数は年間食中毒患者の5割近くを占めており、食中毒予防の観点から重要な問題となっています。発生原因の多くは調理従事者を介したものとなっており、調理をする方の健康管理や作業前の適切な手洗い、調理器具の消毒などより一層の注意が必要です。
ノロウイルス食中毒の予防についての詳しい情報はこちらをご覧ください
ノロウイルス感染予防の徹底を!~防ごう!ノロウイルス食中毒~(東京都福祉保健局)(外部サイト)
注意!この冬はノロウイルスに注意しましょう(厚生労働省)(外部サイト)
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