“安・近・早”の「練馬モデル」 かかりつけ医でワクチンを

 全国各地でワクチン接種に向けた体制作りが進む中、東京・練馬区は独自の接種体制「練馬区モデル」を発表しました。

 次々と運びだされる大きな段ボール箱。中に入っているのは、新型コロナウイルスのワクチンを保管する超低温冷凍庫です。管理する都内の冷凍庫メーカーは1日でも早く届けようと、日程を前倒しして医療機関に向けて発送しています。


 官民一体となってワクチン接種に向けた準備が急ピッチで進んでいますが、その接種体制について、東京・練馬区が新たな接種体制「練馬区モデル」を発表しました。

 最初に使用される予定のファイザー社のワクチンはマイナス75度前後で保管し、解凍したあとは5日以内に使い切る必要があります。このため、これまでは自治体が用意した学校・体育館など、大規模な施設で一度に使い切る「集団接種」を前提としてきました。しかし、その後、小分けしても運べる見込みになったことから、練馬区では、区の医師会と協力して小分けしたワクチンを区内250か所の診療所に運び、「集団接種」に加え、「個別接種」も可能な体制にすると発表したのです。

 「普段、診療しているところを休んで、集団接種会場に行くのは(医師から)なかなか困難ですという声があった」(わだ内科クリニック 和田眞紀夫院長)

 こう話すのは、実際にワクチンが運ばれる予定の診療所の院長です。接種にあたっては患者1人1人に既往症があるかどうかなど、医師による問診を行う必要がありますが、診療所による「個別接種」では、そうした時間をかなり短縮できるといいます。

 「かかりつけの患者さんの病状は分かっているわけですから、よく分かっている同士だから、打てる人、打てない人というのは判断しやすいし、そういうメリットは大きいと思います」(わだ内科クリニック 和田眞紀夫院長)

 また、練馬区の前川区長も「医師会との信頼関係があったからこそ実現できた」としたうえで、「練馬区モデル」に大きな期待を寄せています。

 「コンセプトは『早くて、近くて、安心』。あくまでも診療所がメインで、それをカバーするのが集団接種」(前川燿男 練馬区長)

 ワクチン接種に向けて全国の自治体で試行錯誤が繰り広げられるなか、「練馬区モデル」は一筋の光となるのでしょうか。(01日17:00)

引用元:BIGLOBEニュース

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