ほてり、発汗、イライラ、めまい…こんな不調を感じたら 知っておきたい女性と男性の更年期
更年期障害とは
個人差はありますが、一般的に男女とも、40歳代以降を更年期といいます。
更年期には、女性ホルモン、男性ホルモンの分泌量が低下することが原因となり、さまざまな更年期症状が現れることがあります。そのうち、仕事や家事など日常生活に支障をきたすほど症状が重いものを「更年期障害」といいます。
更年期症状のメカニズム(性ホルモンの減少)
女性の場合
閉経前後の10年間、女性ホルモン(エストロゲン、以後女性ホルモンと表記)は下図のように急激に分泌量が減っていきます。女性ホルモンは卵巣から分泌されますが、脳の視床下部から出るホルモンの命令により調整されています。卵巣機能が衰えると、脳から命令が出ても女性ホルモンが分泌されないため、脳がパニックを起こし通常の何倍も命令を出します。視床下部は様々なホルモンの分泌をコントロールし、体温調整や呼吸、消化機能の調節、神経活動などをつかさどっています。このことにより、異常な発汗や、イライラ、めまいなどの症状が現れることがあります。また、女性ホルモンの減少が続くと、骨量の減少や、脂質異常症、動脈硬化が徐々に進行していくといわれています。
女性ホルモンの変化(大塚製薬ホームページより)
男性の場合
男性ホルモン(テストステロン、以後男性ホルモンと表記)が一般的に中年以降、加齢とともに穏やかに減少します。男性ホルモンは筋肉や性機能に働くだけでなく、認知機能や集中力、判断力のような精神機能にも関係する、とても重要なホルモンです。男性ホルモンは20歳ごろにピークになり、40歳代以降からゆるやかに低下します。加齢に加えてストレス、疲労、睡眠不足などの生活習慣や、社会的な活動の低下が影響すると、男性ホルモンの分泌が低下し、身体・精神・性機能等の不調を引き起こします。
男性ホルモンの変化(一般社団法人日本内分泌学会ホームページより)
セルフチェックをしてみましょう
気になる自覚症状が更年期障害に該当するのか、受診に迷ったらチェック表で確認してみましょう
●女性
大塚製薬(外部サイト) 「更年期ラボ」(更年期セルフチェック)へのリンク
●男性
「NHK」きょうの健康(もしかしたら更年期障害?) (外部サイト) 更年期セルフチェックページへのリンク
更年期症状の予防・対策
更年期、まずはセルフケアで乗り切りましょう
女性の場合
基本はバランスのよい食事
食事は、主食・主菜・副菜のそろったバランスのよい食事を1日3回食べることが大切です。大豆食品は、女性ホルモンと似た作用のある大豆イソフラボンが含まれるので、主菜として摂り入れていくことも良いでしょう。
適度な運動と良質な睡眠を
朝の太陽光を浴びることで、睡眠ホルモンの分泌につながります。また、たんぱく質は睡眠ホルモンの材料になるので、充分摂ることをお勧めします。適度な運動は血流をよくし、安眠にも役立ちます。なるべく歩く、階段を使う、家事で体を動かすなど無理なく継続できる方法を見つけましょう。
やせにも肥満にも注意。BMI(ボディマスインデックス)は「22」が最適
「BMI」が22は、最も病気になりにくい状態であるとされています。
[体重(kg)]÷[身長(m)の2乗]で算出される値。肥満や低体重(やせ)の判定に用いる。脂肪は女性ホルモンに似た働きをするので、やせている方は、更年期の症状が重くなる場合もあります。
「BMI」判定基準
やせ 18.5未満
ふつう 18.5~25未満
肥満 25以上
体を温め、新陳代謝を活発に
シャワー浴で済ませず浴槽につかりましょう。手首、足首を温めるだけでも血流が良くなります。化繊の肌着は汗で体温を奪うので、木綿、ウールなどの素材に変えてみましょう。
男性の場合
社会的な活動で男性ホルモンを増やせるように
男性ホルモンは社会性ホルモンと呼ばれています。家庭や会社・地域の中で認められると分泌量が上昇すると言われます。周囲の人と積極的にコミュニケーションをとりましょう。
基本はバランスのよい食事
食事は、主食・主菜・副菜のそろったバランスのよい食事を1日3回食べることが大切です。また、男性ホルモンは筋肉量が増えることでも増加します。筋肉を作る助けとなる良質なたんぱく質(魚・肉・卵など)を摂るようにすると良いでしょう。
適度な運動で筋肉を使う
筋肉自体も男性ホルモンをつくっています。運動で大きな筋肉を動かすと値が上昇します。早歩き・階段昇降などの有酸素運動を毎日10分するだけでも値が上昇します。筋トレ等のレジスタンス運動は運動中には値が上がらないものの、筋肉を増やすことにつながるので有効です。運動のやりすぎはストレスとなって、男性ホルモンの分泌を阻害してしまうので適切な量が肝心です。
質の良い睡眠時間を十分に
男性ホルモンは眠っている間、特に夜中の1~3時ごろに多くつくられるので、睡眠時間を十分にとることが大切です。LEDの光は、交感神経を刺激して睡眠を妨げてしまうので、質の高い睡眠のためには、就寝前はスマートフォンやパソコンの使用を控え、照明を落としてリラックスしましょう。
ストレスは男性ホルモン低下の原因にも
強いストレスを感じると、脳は精巣から男性ホルモンを出すという命令をやめてしまうため働きが低下してしまいます。ただし、現代社会の中でストレスを全てなくすのは難しいので、入浴でゆっくり湯船につかり、1日の疲れを癒やしたり、笑うことや、「マインドフルネス(瞑想[めいそう])」、好きなことに没頭するなど、自分なりのリラックス法や対処方法を見つけましょう。
更年期症状かも、と思ったら…
更年期障害かな?と思われたら 早めの受診をおすすめします
医師の診察を受ける
更年期障害は身体や心の状態が複雑に関与しているといわれています。まず、生活習慣の改善などを試み、それでも改善しない症状に対しては、がまんせずに早めに受診しましょう。更年期の時期は、更年期障害のほかにもさまざまな病気が生じやすい年齢です。更年期症状を自己判断せずに、医療機関を受診しましょう。女性は、まず婦人科を受診しましょう。男性は、泌尿器科を受診しましょう。更年期専門の外来を設けている医療機関もあります。専門医に受診するのが難しい場合はかかりつけ医に相談してみましょう。医師の診断により、ホルモン補充療法や漢方療法、必要な薬など薬物治療をする場合があります。治療の効果が現れない場合は、うつ病、脳の下垂体や甲状腺の病気など、他の病気が疑われるため、精神科や心療内科、脳神経内科、内分泌内科などでの治療が検討されます。
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健康相談
各保健相談所では健康に関する相談をお受けしています。保健師・管理栄養士・歯科衛生士が対応します。お気軽にご連絡ください。
豊玉保健相談所
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更年期障害の予防と生活習慣の見直しのきっかけに
各保健相談所では、生活習慣病に関する情報提供や各種の講演会や予防教室等を実施しています。
更年期障害の予防にも役立つ内容もあります。
開催情報は随時更新していますので、ぜひ参加してみてください。
健康づくり講座・講演会
関連外部リンク
日本メンズヘルス医学会(外部サイト) https://mens-health.jp/ (外部サイト)
男性の更年期障害をはじめ、男性ホルモンの低下による様々な病気に関する情報提供等を行っています。
更年期ラボ(外部サイト) https://ko-nenkilab.jp/(外部サイト)
大塚製薬株式会社が開設・運営しているサイトです。更年期の症状に関する詳しい情報も掲載されています。
女性の健康推進室「ヘルスケアラボ(外部サイト)」 https://w-health.jp/(外部サイト)
厚生労働省の研究班による事業として運営されているサイトです。更年期だけではなく、小児期から老年期まで、女性に関わる多くの健康課題について、分かりやすく情報発信しています。
*練馬区と大塚製薬は、連携協定を締結し、区民のみなさまの健康・維持増進に取り組んでいます。
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