「慣れるまで時間かかりそう」増えるテレワーク 惣菜店は売り上げ半減 緊急事態の東京
新型コロナウイルスの感染拡大を防ぐため、緊急事態宣言が発令されて一夜が明けた。オフィス街はいつものように多くのサラリーマンの姿がみられたが、テレワークなど新しい試みも広がりつつある。一方、不要不急の「外出自粛」はさらに徹底されたのか、商店街は閑散としていた。
オフィスビルが林立する東京・丸の内。午前8時を過ぎると会社員らがそれぞれの職場に足早に歩いていた。
◇曜日ごとの交代勤務も
「昨日より人の数は減ったが、それほど変わってないかも」。50代の女性はそう語る。自身については「在宅勤務は難しい仕事なので、これからも通常通り出勤です」。
不動産関係の仕事をしている男性(60)は感染拡大を受け、原則として在宅勤務をしていた。「今日はたまたま会社に向かい部下から報告を受ける。終わればすぐに自宅に戻ります」。金融機関に勤める男性(60)はこの日から曜日ごとの交代勤務に。「在宅でもメールや電話で仕事はできるし、今は我慢時だ」と前を向いた。
緊急事態宣言を受け、テレワークを始めた企業は少なくない。
鉄道関連会社に勤務する男性(49)は7日から初めて東京都練馬区の自宅でテレワークを始めた。いつもは午前7時に家を出て会社に向かうが、この日は同じ時間にリビングのパソコン机に向かい仕事をスタートさせた。まず、無料通話アプリで同僚に業務開始を報告。会議用の資料を作成した後、取引先にメールで連絡した。
営業職で対面で仕事をするのが基本だったが「今は相手も遠隔でのやりとりを望んでいるし、なんとかなりそう。年度末の繁忙期を乗り切った後なのでまだ良かった」と胸をなで下ろす。
自宅には学校が休みになった高校生の息子や妻もいる。昼に家族で食卓を囲むと「休み気分になっちゃいますよね」。午後3時半すぎ、業務を終えてもまだ日は高いが、緊急事態宣言下ではスーパーに行くくらいしかできることはない。「慣れるのに時間がかかりそう」とつぶやいた。
◇あの戸越銀座もまばら
全長1・3キロに約400店が軒を連ねる品川区の戸越銀座商店街。普段は夕方になると多くの買い物客でにぎわうが、この日はまばら。「臨時休業」の張り紙をしてシャッターを閉める店も多い。
「先週の半分ほどしか人が歩いていない。朝も在宅勤務の影響か普段の5分の1ほどしか人がいなかった」。子供たちの交通誘導を行う男性(70)が明かす。
商店街にある総菜店は、緊急事態宣言が出された後、売り上げは半分以下に落ちたという。男性店主(59)は「お客さんが減れば休まざるを得なくなる」とため息をつく。
一方、多くの客でにぎわっていたのは地元スーパーだった。店頭には混雑時に入場制限を求める張り紙も。買い物を終えて出てきた主婦(73)は「買い物以外の外出は避けているし、買いだめをしないようにしている。しばらくは我慢です」と話した。【五十嵐朋子、井川諒太郎、遠山和宏】
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