東京での子育て費用 30代は年650万円必要 50代は年950万円 労組団体試算
都内で夫婦2人、子供2人で暮らすのに必要な生活費は——。東京地方労働組合評議会(東京地評)が16日、2019年の都内子育て世帯の最低生活費試算を公表した。30代夫婦と小学生、幼稚園児の家庭で、年間650万円、教育費が増える50代では、年間950万円が必要だとした。
東京地評は19年5〜8月に加盟労組の労働者など3200人の生活実態と、都内の生活必需品や家電の価格を調査した。
さらに政府の食費や住居費、教育費などの調査を加味して試算した。
モデルケースは練馬区の43平方メートルの賃貸マンション(家賃9万5000円)で、正社員の30代夫、非正規社員の30代妻(夫の扶養内)、公立小学校と私立幼稚園に通う子ども2人が暮らす家庭。食費は月11万円(一人1食300円と想定)▽夫の飲み会代月3500円▽教育費月2万8000円——など必要な額を積み上げると月54万円(年間650万円)だった。
子供の成長で教育費は増え、50代で、子供が私立大と公立高に通った場合は年間950万円が必要となった。
昨年は都内の25歳単身世帯を調査、年収300万円以上が必要と試算し、「最低賃金は時給1500円以上に引き上げるべき」とした。一方、都内の平均時給は20年度で1151円。調査を監修した静岡県立大短期大学部の中沢秀一准教授(社会福祉学)は「慎ましい暮らしを想定してもこれだけの生活費がかかる。賃金底上げと子育ての社会保障充実が急務だ」と指摘した。【中川聡子】
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