【日本ハム】万波中正がプロ1号「本当にホームラン打っちゃった」ミレニアム世代プロ3年目45打席目でやっと
◆日本生命セ・パ交流戦 日本ハム1—4DeNA(13日・札幌ドーム)
日本ハムの3年目・万波中正外野手(21)が待望のプロ1号ソロを放った。プロ45打席目で、札幌Dの左中間に飛び込む本塁打。第3打席には、あと30センチで柵越えの左翼フェンス直撃の二塁打も放った。試合は1—4で敗れ、借金は今季ワーストの14に逆戻り。東京五輪による中断期間もあり、8月20日楽天戦まで札幌Dを離れる。
前半最後の本拠地での試合を、勝利で飾れなかった。
スタンドインを確かめ、万波は右拳を握りしめた。2回の第1打席の初球。今永の140キロのカットボールを捉えた。高々と上がった白球。「行ったかな」。手応えはあったが、左中間席に吸い込まれるまでは信じられなかった。「興奮気味で(頭が)真っ白。本当にホームラン打っちゃった」。3年目の45打席目での初本塁打。夢見心地でベースを一周した。
成長を示す一発だった。1年目の19年3月3日、札幌Dで新人がお披露目されたオープン戦。今永と対戦し空振り三振を喫した。「その時は手も足も出ないでやられちゃった。今日はまた札幌D。自分の成長を感じられますし、本当にうれしいホームランになった」。球界屈指の左腕相手に、3年間の成長を示した。
読書家の万波は昨オフ、スポーツ庁の室伏広治長官(46)の著書「ゾーンの入り方」を読んだ。04年アテネ五輪陸上男子ハンマー投げ金メダリストが、ハンマーとシューズを磨くことで競技力が向上したと知ると、野球道具を大切にしようと決心。ぬれた地面に置かない、寝かさないなどマイルールを作り徹底。試合前練習では、試合用バットはビニール袋に入れたまま打撃ケージへ持ち込むようになった。
道具を大切にしたことで、野球の神様からプレゼントがあった。1軍で出場機会がなく、5月16日に2軍降格。悔しさをバネに振り込む中、右手をバットの中央に添え直前まで力を抜くアイデアが降ってきた。「気づいたら自然とやっていた。何でか分からないですけど(笑い)」。たどり着いた脱力打法がピタリとはまり、第3打席は課題の速球にきちんと対応。あわや柵越えの二塁打にもつながった。
栗山英樹監督(60)は「あれを期待してた。小さくならないようにスケール大きく野球をやってほしい」と成長に期待した。長打力が最大の魅力。「1軍に食らいついて食らいついて、その先にレギュラーがあればいい」と万波。がむしゃらに定位置を奪いに行く。(秦 雄太郎)
◆万波中正アラカルト
▽生まれとサイズ 2000年4月7日生まれ。東京・練馬区生まれ。192センチ、97キロ。足のサイズは31・5センチ。
▽家族 両親と姉。コンゴ人の父と日本人の母を持つ。
▽身体能力 中学時代は陸上部にも所属。1年時に100メートル障害で都大会2位、3年時は砲丸投げで全国大会出場。横浜高では二刀流で投手最速149キロを記録。
▽高校時代 高校通算40発。1年夏からベンチ入りし、3年連続夏の甲子園に出場。最高成績は3回戦で金足農に敗れた18年。
▽ミレニアム世代 2000年度生まれで同期の吉田輝星、野村佑希は良きライバル。他球団では巨人・戸郷、中日・根尾、ロッテ・藤原、広島・小園らがいる。
▽練習の虫 1年目は練習後の居残り特打をやり過ぎ、打撃コーチからストップがかかった。今年は早朝5時から打ち込むことも。
▽歌自慢 得意は懐メロ。持ち歌のシャ乱Qの「シングルベッド」、サザンオールスターズの「いとしのエリー」はカラオケ90点後半をたたき出す。登場曲は広瀬香美の「ロマンスの神様」。
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