中高層住宅にお住まいの方へ
中高層住宅特有の被害
長周期地震動
地震が起きると様々な周期を持つ揺れ(地震動)が発生します。ここでいう「周期」とは、揺れが1往復するのにかかる時間のことです。南海トラフ地震
のような規模の大きい地震が発生すると、周期の長いゆっくりとした大きな揺れ(地震動)が生じます。
このような地震動のことを長周期地震動といいます。建物には固有の揺れやすい周期(固有周期)があります。地震波の周期と建物の固有周期が一致すると共振して、建物が大きく揺れます。
高層ビルの固有周期は低い建物の周期に比べると長いため、長周期の波と「共振」しやすく、共振すると高層ビルは長時間にわたり大きく揺れます。また、高層階の方がより大きく揺れる傾向があります。
出典:気象庁HP(外部サイト)
トイレ対策
過去の災害では、排水管の被害状況を確認しないまま、上階の住人がトイレを流したことにより、排水管の破損した下階の住戸において汚水が逆流する被害が報告されています。
複数の住戸が集まる中高層住宅においては、事前のトイレ使用ルールの取り決めをしておきましょう!また、各戸において簡易トイレや携帯トイレを備蓄しておくことも重要です。
以下のサイトでは、災害時のトイレ対策を漫画や動画で紹介しています。
漫画「災害時のトイレ、どうする?(外部サイト)」(国土交通省)
動画「災害時のトイレ、どうする?(外部サイト)」(国土交通省政策チャンネル)
漫画 災害時のトイレ、どうする?(国土交通省)
火災
炎や煙は上へ上へと上がっていきます。できるだけ建物外や下階に避難するようにしましょう。
避難する際には、エレベーターは絶対に使ってはいけません。火災により電気系統が破損し動かなくなることがあります。また、煙はエレベーター設備の空間を一気に駆け上がってきます。
いざという時のために、消火器、スプリンクラー、火災報知器などの消火設備の状況を確認し、日頃から使い方に慣れておきましょう。
防災学習センターでは、消火器の使い方や煙からの避難の方法(煙ハウス)を体験・学習できます。
避難経路の確保
戸建て住宅であれば、玄関や窓から屋外に避難することも可能ですが、中高層住宅の場合、屋外に通じる出入り口は、ほとんどの場合玄関とベランダです。地震の揺れで玄関ドアが歪んで開かなくなるなどの被害が考えられます。地震の揺れが収まったらすみやかに避難経路を確保することが大切です。
【玄関】
ドアを開放し、余震に備え靴やドアストッパーなどを挟んでおきましょう。
【ベランダ】
ベランダの隔壁ボード前、避難はしご周辺などに物を置かないようにしましょう。
エレベーターの停止
大きな揺れが発生すると、多くの場合、エレベーターは停止します。また、エレベーターが動いていても、余震で停止する恐れがあるため使用せず、非常階段などを使って避難することが必要です。もし、エレベーターの中で地震が発生した場合には、行先階のボタンをすべて押し、最初に停止した階ですみやかに降ります。閉じ込められた場合には、非常ボタンを押し続けるほか、エレベーター管理会社や消防、警察に連絡し、落ち着いて救助を待ちましょう。
また、万が一閉じ込めが発生した場合に備え、簡易トイレや飲料水、懐中電灯などの防災用品をエレベーター内に備蓄しましょう。区では、エレベーターチェアなどの防災用品のあっせんを行っています。
「中高層住宅の防災対策ガイドブック」の紹介
大地震が発生した場合、中高層住宅では戸建住宅とは異なる特有の地震被害が生じる恐れがあります。これまでの大きな地震においても、高層階の大きな揺れによる被害やエレベーター内の閉じ込め、ライフラインの停止による生活への影響などが問題となりました。首都直下地震発生の切迫性が指摘されるなか、こうした被害を軽減していくためには、各家庭や中高層住宅内の住民組織などが、特有の課題を理解し、日頃から十分な対策を講じておくことが必要です。
このガイドブックは、主に中高層住宅の管理組合や自治会、防災会の方を対象に、事前の備えや災害時の行動、防災のための組織づくりなどについて学ぶことができる内容となっていますので、是非ご活用ください。
中高層住宅の防災対策ガイドブック(PDF:17,226KB)
ねりま防災カレッジ事業
中高層住宅向け防災講習会
防災学習センターでは、ねりま防災カレッジ中高層住宅向け防災講習会を実施しています。
中高層住宅にお住いの方や管理人の方など、中高層住宅ならではの防災対策を学びます。募集については、区報などでお知らせします。
講習会の様子
防災学習コースメニュー
防災学習センターにお越しいただき、防災講話や防災体験を組み合わせて学びます。
防災学習センターでは、VRを利用した地震体験もできます。ぜひマンション住民の方々で集まってお越しください。
出前防災講座
防災学習センターでは、地域に出向いて防災講話や防災体験を行います。
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