【東京】としまえんに「機械遺産」…回転木馬110周年 練馬区

東京都練馬区の遊園地「としまえん」にある世界最古級の回転木馬
「カルーセルエルドラド」が、ドイツで製造されてから今年で110周年を迎えた。
ヨーロッパ、米ニューヨークを巡った末にとしまえんにたどり着いたエルドラドは、
きらびやかな装飾などで親しまれ、来園した2500万人以上の人たちを笑顔にしてきた。


エルドラドは、直径31メートル、高さ10メートルの建物の中で、
アールヌーボー様式の美しい装飾が施された木彫りの馬や豚、ゴンドラなど計53台の乗り物が回っている。
15日、母と2人で埼玉県所沢市から来た3歳児は、豚の乗り物にまたがり、
「ぐるぐる回るのが楽しい」とはしゃいでいた。

としまえんの運営会社「豊島園」によると、エルドラドは1907年、
ドイツ人技師が、「世界一大きく豪華な回転木馬を造ろう」と、当時の技術を駆使して完成させた。

ヨーロッパ各地のカーニバルを巡って人気を集めたが、
第1次世界大戦の戦火を避けるため、開戦前の11年にニューヨークの遊園地に移された。
この遊園地でも人気があったというが、64年に遊園地が閉園し、解体されて倉庫で保管された。

そのことを知った豊島園が69年に購入。
2年間かけて修復し、71年からとしまえんの象徴的な乗り物として来園者を楽しませてきた。
2010年には一般社団法人「日本機械学会」が、芸術的な乗り物で世界的に貴重な文化遺産などとして、
「機械遺産」に認定している。

としまえんでは今も毎朝の点検を欠かさず、運転を続けている。

110周年を記念して運営会社は今月、世界各地を巡ってとしまえんにたどり着いた経緯を知ってほしいと、
エルドラドを題材にした絵本を出版した。

担当者は
「エルドラドは遊園地のシンボル。これまで大切にしてきた人々の思いを受け継いでいきたい」と話している。

絵本は、としまえんで販売しているほか、区内の区立図書館や学童クラブに寄贈される予定。

写真:製造から110周年を迎えたカルーセルエルドラド

:YOMIURI ONLINE 2017年09月21日 08時09分

引用元:2NN

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