埼玉・朝霞駐屯地の住所はなぜ東京都練馬区なのか?
子供の時に道路の白線の上をずっと歩く遊びをしながら学校から帰った記憶のある人も多いだろう。区境や県境にも、同じような楽しさが詰まっている。住民も戸惑わせることがある境目の謎について、自衛隊の朝霞駐屯地、もう少しで4区が交わる豊島区南長崎の例を紹介する。
埼玉の朝霞駐屯地は練馬区だった?
戦後米軍の駐屯基地として使用されていた土地を、1960年に陸上自衛隊の駐屯地として開設したのが埼玉県の朝霞市、新座市、和光市の3市にまたがる朝霞駐屯地。
ところが、住所はなぜか「東京都練馬区」。その理由は敷地内に練馬区の突起部分が食い込んでいるからだ。
全体の5%ほどの敷地だが、ここには正門のほか、東部方面総監部庁舎など駐屯地の重要な施設が設置されている。そのため、ほとんど埼玉県に属しているにもかかわらず、住所は東京都練馬区なのだ。
4区が交わる「幻のフォー・コーナーズ」
境界をまたいだり、境界線の上を歩いたりすることは区境を楽しむ醍醐味だが、3つの区境が交わる「区境の三叉路」も魅力のひとつ。三叉路は都内のいたるところに存在するが、なぜか4区の交わる「フォー・コーナーズ」は存在しない。
しかし、“区境ファン”を唸らせる「もう少しでフォー・コーナーズになる場所」が3か所ある。そのひとつが、新宿、中野、練馬、豊島の4区の区境が集中する「豊島区南長崎6丁目」付近。新宿と練馬の区境が約130メートル離れているため惜しくも「フォー・コーナーズ」にはならないが、4区を数分で渡り歩ける楽しみは区境ファンにはたまらないようだ。
※週刊ポスト2020年9月4日号
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