開会式の旗手、卓球・岩渕「金メダル以上」が目標…雪辱誓うエースが大役務める

 24日に行われた東京パラリンピックの開会式。日本選手団の先頭で旗手を務めたのは、卓球男子(立位9クラス)に出場する岩渕幸洋(26、協和キリン)だ。メダルが遠のいているパラリンピックの卓球で、ホープとして「日本復活」の期待を背負う。

 東京都練馬区出身。先天性の下肢機能障害で生まれつき足首が曲がらず、特に重い左脚には、競技中に装具を付けてプレーする。


この立位9のクラスでは世界ランキング3位につけており、日本代表を引っ張る存在だ。

 早稲田実業中学で卓球部に入ると、メキメキと頭角を現した。高校生でジャパンオープンパラ選手権を制すると、早稲田大4年でリオデジャネイロ大会にも出場した。ただこの時は、1次リーグを全敗で敗退。緊張に押しつぶされた当時を「満員の会場に足を踏み入れてから、本当に記憶がない」と振り返る。

 大学卒業後は日本リーグ実業団連盟の協和キリンに入社。健常者の社会人トップアスリートと練習を共にし、心技ともに成長した。2018年パラ世界選手権では銅メダルを獲得しており、今大会ではリオ大会の雪辱を誓う。

 心に秘める風景がある。リオ大会後に自宅のテレビで見たオリンピック・パラリンピックのメダリストによる合同パレードの姿だ。メダルの有無で周囲から向けられるまなざしの違いを痛感した。「メダル一つとれば、がらっと変わる」。日本のパラ卓球界を引っ張る者として、今大会に期する思いは強い。

 大会前の記者会見では「パラスポーツのすばらしさを伝えるために『金メダル以上』を目標にし、見ている人に楽しんでもらえるパフォーマンスをしたい」とも語った。世界最高峰の舞台で、過去の自分を乗り越え、2000年シドニー大会以降はメダルから遠ざかるパラ卓球にもう一度光を当てることが出来るか——。岩渕は25日午前、アシュリー・フェーシートンプソン(イギリス)と初戦を迎える。

引用元:BIGLOBEニュース

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