「練馬区SNSルール」印刷物にパスワード記入欄 波紋広がる
東京都練馬区教委が、児童生徒の家庭におけるSNS(ネット交流サービス)のルール作りを啓発しようと作成した「SNS練馬区ルール」のリーフレットの中に、SNSのパスワードを記入する欄があることがネット上で波紋を広げている。
区教委は小中学校に対し「各家庭からリーフレットを提出してもらう場合は、パスワードを記載しない状態で提出してもらう」と通知していたが、11月に区立中学校1校でこの通知を失念したため、学校側が生徒のパスワードを知り得る状態になっていたことが発覚。区教委は各校に再発防止を求めたという。
区教委によると、「SNS練馬区ルール」(4ページ)のリーフレットは児童生徒の情報モラル向上と事故防止のため、昨年6月に区内98小中学校に配布を開始した。「我が家のSNSルール」として、「スマホ、SNSを使う時間は1日__時間にします」「スマホ、SNSを使う時刻は__時までにします」などの項目を設け、空欄に家庭ごとのルールを記入してもらうことで適切な使用を促そうという取り組みだ。
しかし、「SNSのパスワードは___です」との項目もあり、区教委の会議の中で「パスワードを学校が知り得ることになるのは適切ではない」との声が上がった。このため区教委は昨年8月、パスワードを記載する項目について、「未記載」または「消した状態もしくはマスキングした状態」で提出を依頼するよう各校に通知した。
ところが、今年11月19日に区立中学校1校で1、2年生の生徒にリーフレットの提出を依頼した際、「パスワードの記載は不要」という説明を失念したという。
11月30日に保護者から学校に連絡があり問題が発覚した。12月2日時点で生徒276人からリーフレットの提出を受けていたが、提出されたリーフレットは同校の鍵のかかる場所で保管されていたため、パスワードの漏えいは生じていないとしている。区教委は、今後発行するリーフレットについては、パスワード記載箇所を削除するいう。
堀和夫教育長は「家庭からの提出を求める際には、パスワードを記入しないよう通知していたが徹底されていなかった。再発防止策を徹底させ、二度と同様のことが起こらないようにしたい。当該校の生徒や保護者、関係の皆様には大変ご迷惑とご心配をおかけしたことをおわびしたい」と謝罪のコメントを発表した。
ツイッター上では、「SNS練馬区ルール」のリーフレットを巡り、「人権侵害すぎて言葉がない」などとリーフレットにパスワードを記載する項目があることを批判する投稿が相次いでいた。【川上珠実】
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