コロナ禍で視覚障害者「信号がわかりにくくなった」…不便さ感じる事例、イラストで紹介
盲導犬を育成する公益財団法人・アイメイト協会(東京都練馬区)が、コロナ禍で視覚障害者が不便さを感じている様々な事例を協会運営の子ども向けサイトで紹介している。「信号がわかりにくくなった」「レジの列に並べない」といった当事者の声をわかりやすくイラスト入りで説明。同協会は「目の不自由な人たちが困っているのを見かけたら、手をさしのべてほしい」と呼びかけている。
(岩崎千尋)
サイトは盲導犬の知識を学べる同協会の「『もうどう犬』を知ろう! アイメイト・こどもサイト」(https://www.eyemate.org/kids/)。「特別企画」と銘打ったコーナーで、盲導犬とともに暮らす7人の視覚障害者が、コロナ禍による生活様式の変化に伴って感じるようになった困ったことを語り合っている。
視覚障害者は外出時、目の前の横断歩道の信号が青なのか赤なのか判断するのに車の走行音を一つの材料とするが、緊急事態宣言で車の数が減り、信号の変化がわかりにくくなったという。また各地のスーパーは、レジに並ぶ客に一定の間隔を空けてもらおうと床に立ち位置を知らせるシールを貼っているが、視覚障害者にはわからない。さらに前に並ぶ人の動きを察知できず、列が進んだかどうか気づきにくくなったという。
ほかにも、ほかの人と距離を保つ必要があるのに盲導犬が近づき過ぎてしまう、レストランのテーブルに設置されたアクリル板に頭をぶつけてしまう——といった悩みがイラストとともに紹介されている。
同協会の塩屋隆男代表理事は「人が減ったり、人との距離を保つことが求められたりすることで、視覚障害者が周囲から声をかけてもらうことが減った」と窮状を指摘。「目の不自由な人たちの実情を知ってもらいたい」と話している。
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