【想定外】としまえんプール事故「潜り込み想定せず」

プール事故「潜り込み想定せず」
08月29日 17時29分
今月、東京・練馬区のプールで水面に浮かべた遊具の下で女の子が死亡した事故で、管理会社が「遊具の下への潜り込みは想定していなかった」と説明していることが、関係者への取材で分かりました。
水面に浮かべる遊具には安全基準がなく、専門家はリスクを共有して安全対策を進めるべきだと指摘しています。


今月15日、東京・練馬区の遊園地、としまえんのプールで埼玉県の小学3年生、森本優佳さん(8)が、水面に浮かべたマットのような遊具の下で溺れ死亡しました。
水面に浮かべる遊具には安全基準がなく、プールの管理会社は利用者に救命胴衣を着用させ複数の監視員も配置していましたが、「遊具の下への潜り込みは想定していなかった」と説明していることが関係者への取材で分かりました。
警視庁によりますと、事故当時、監視員が水中に潜って遊具の下を確認したのは森本さんを探し始めてから、およそ1時間後だったということです。
専門家は遊具の下に子どもの体が入ってしまうリスクを広く共有して、安全対策を進めるべきだと指摘しています。
安全工学が専門で子どものプール事故にも詳しい東京工業大学の西田佳史教授は「水面に光が反射すると水中を見通せなくなり、プールサイドからの監視だけでは不十分な場合がある。大型の遊具を浮かべる際は、水中を常に見守る仕組みが必要だ」と話しています。

今回の事故と同じように、水面に物を浮かべたため死角が広がったプールでは、過去にも死亡事故が起きていました。
遺族は関係者の間で教訓が共有されていなかったのではないかと話しています。
東京・杉並区の宮崎泰児さん(69)は19年前、小学1年生だった娘の紗也子さんを学校のプール事故で亡くしました。
事故が起きたのは水泳の授業中で4人の教員が見守る中、およそ120人の児童がプールに入っていましたが、水面に畳1畳分ほどの大型のビート板などを複数浮かべていて、死角が広がっていたということです。
杉並区教育委員会は紗也子さんの事故のあと検証を行い、学校のプールでは水面に浮かべる大型の遊具などを使わないなどとする手引きをまとめていました。
宮崎さんは今回の事故について、「娘と同じ事故がまた起きたかと思った。学校と遊園地という違いはあるが、プールに遊具を浮かべると大きな死角が生まれ監視の目が届きにくいという点では同じで、過去の事故の教訓が関係者の間で共有されていなかったのではないか」と話しています。
その上で、「小さな子どもが遊ぶ際の危険性について施設は安全への配慮をもっとすべきだと思う。今回の事故を一過性のものとしないで、しっかりと原因を究明し、得られた情報を今後に生かしてほしい」と話しています。
(リンク先に続きあり)

引用元:2NN

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