『としまえん』カルーセルエルドラド、最終運転を終了 解体しメンテナンスへ
1926年(大正15年)に営業を開始した東京都練馬区の遊園地『としまえん』が8月31日、午後9時をもって閉園する。同園の象徴である回転木馬の「カルーセルエルドラド」は一足早く、最終運転を終えた。
「カルーセルエルドラド」は、1907年にドイツの機械技師のヒューゴー・ハッセによって作られた。
ニューヨークにある遊園地で稼働後に69年に日本にやってくると、専門家の監修による修復作業を経て、製作当時の姿に復元され、71年4月3日から再び子供たちの夢をのせて回り始めた。アールヌーボー様式の豪華な装飾が特徴で、彫刻は全て木製の手彫り。そのため、馬の表情もそれぞれが異なり、“お気に入り”を見つけることも楽しめた。
「としまえん」を中心とした一帯のエリアは、1957年に都市計画公園「練馬城址公園」の指定を受け、2011年には避難場所や防災拠点となる公園・緑地の整備促進の観点から、東京都より2020年度までの10年間で優先的に整備する「優先整備区域」に指定されている。
午後7時30分に観客を乗せた最終営業を終えると自然と拍手が発生。名残惜しむように何度もスマホやカメラで撮影する人の姿が目立った。その後に『としまえんファイナルセレモニー』を実施。「カルーセルエルドラド」は無観客で最後の運転を終えると、ファンは「ありがとう〜!」と絶叫していた。
同園を運営する株式会社豊島園の依田龍也代表取締役は「110年を超えて、大変老朽化しております。これを機に1回、解体をして、しっかりメンテナンスを施して、いつか、どこかで皆様の前にきれいになったエルドラドをお見せしたいと思っております」と報告。最終運転を終えると「エルドラド、ありがとう。エルドラドは永遠に輝き続けるとい思います」と万感の思いを語っていた。
東京都と公園整備に関する協議を進めていたが、6月に東京都を含めた関係者と「都市計画練馬城址公園の整備にかかる覚書」を締結したこと、および今後の土地利用等の計画に鑑み、「としまえん」が閉園することとなった。
今後は『ワーナー ブラザース スタジオツアー東京 −メイキング・オブ ハリー・ポッター』が2023年前半オープン予定。『スタジオツアー東京』は、ロンドンに次いで世界2番目の開設で、映画『ハリー・ポッター』シリーズで使用された衣装や小道具などを展示し、来場者に映画の舞台裏を紹介する。映画は『ハリー・ポッター』から『ファンタスティック・ビースト』シリーズへと引き継がれ、同施設ではこの2つの映画の世界観をより深く知るための仕掛けを整えていくという。
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