こころの健康コラム**専門家からのメッセージ**掲載しています。。
医療法人社団じうんどう 慈雲堂病院院長
田邉 英一先生
高齢者のこころの健康
【高齢者のこころの特徴】
超高齢社会となった現代、歳をとってもいきいきと元気に過ごしたいものです。ところがこうした気持ちとは裏腹に、からだの機能は老化が進み、若い頃と違って思うように動きにくくなり、こころの状態にも変化がみられてきます。高齢者のこころの変化の特徴として、記憶を中心とした知的機能の減退、物事の決断が遅くなる、融通が利かなくなり頑固になる等、それまで出来ていたことが出来なくなったり、元来のお人柄がより強く表れるといった性格変化がみられます。また配偶者や親しい友人を亡くしたり、自分自身の仕事からの引退や退職など、社会的にも家庭的にもさまざまな喪失体験を重ねてきて、精神的に不安に駆られやすくなります。自身の健康に関するものも不安の大きな原因となります。さらにこころの変化のなかで最も気をつけなくてはならないものとして、高齢者のうつがあります。
【高齢者のうつの特徴】
高齢者のうつの特徴として、単に気持ちが落ち込み気力が失われるだけでなく、落ち着かずそわそわするような強い不安焦燥感や、からだのあちこちが調子が悪いと訴える心気症状が目立ちます。体調の悪さで診療所や病院を受診しても、特段の異常が見つからない時は、こうしたうつが隠れている可能性があります。また認知症の初期にも、もの忘れにのほかにうつと区別がつきにくい症状がみられることがありますので注意が必要です。
【こころの健康を保つために】
身近なご家族にこうした症状の高齢者がいる場合は、お近くの保健相談所や地域包括支援センターに相談をするか、かかりつけ医や専門診療としての精神科、心療内科を早めに受診しましょう。独居の方の場合には、日頃からできるだけ声をかけてあげましょう。うつや認知症を防ぐために、日頃から人とのかかわりをなるべく保ち、趣味や生きがいを見つけておくことも大切です。練馬区主催の健康講座やさまざまな社会参加の活動がありますので、思い切って参加してみるのもお勧めです。
こころもからだもいきいきと、いつまでも元気さを保ちましょう。
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