練馬区で熱中症死、7月は12人…ほとんどがエアコン未設置か未使用

 猛暑が続く中、東京都練馬区は8月から、独居高齢者の約3万5000世帯を対象に、緊急で電話や訪問による熱中症予防の一斉呼びかけを始めた。区としては初の取り組みという。区内では先月、10人以上が熱中症で亡くなるなど、対応が急務となっており、エアコンの利用や水分補給を強く促していく考えだ。

 東京消防庁によると、区内で今年5〜7月に熱中症で救急搬送された人は、189人(速報値)に上る。


区によると、6月に1人、7月には12人が熱中症で死亡しており、このうち11人が65歳以上の高齢者、10人は一人暮らしだった。

 また、死者13人のうち12人は、エアコンを未設置、または設置していても使っていなかったという。区健康推進課の苗村聡課長は「高齢者の中には、暑さに対する感覚が鈍くなっている人もいるのではないか」と推察する。

 区はこれまでも高齢者世帯を訪問して、エアコンの積極使用などを求めてきた。しかし、死者数が先月急増したことや、独居高齢者が亡くなるケースが多い実態を踏まえ、短期間に集中して熱中症対策を呼びかけられるよう、急きょ、電話を中心に独居世帯に働きかけを行うことにした。

 一斉の呼びかけは4日からスタート。一人暮らしの高齢者世帯には、区内に27か所ある地域包括支援センターの訪問支援員や保健師らが電話で連絡し、通話での理解が難しい場合は、訪問に切り替える。区の緊急通報システムに登録している世帯には、委託先の警備会社から連絡するという。一方、生活保護受給者にはケースワーカーが対応し、エアコンの積極的な使用や、小まめな水分補給を求めていく。

 苗村課長は「呼びかけを通して、少しでも熱中症になる高齢者を減らしていきたい」と話している。

 都内のほかの自治体でも、熱中症対策に力を入れている。

 台東区では今年初めて、区民館や生涯学習センターなど計24か所の公共施設に、一時的に暑さをしのぐことができる「涼み処」を設置した。冷房がきいたロビーなどに椅子が並べられ、誰でも休憩することができる。

 中央区も、今月から18か所に暑さをしのぐための一時休憩所を開設。さらに区内の薬剤師会の協力を受け、9日からは薬局約20か所に「涼んでいきませんか」と書かれたポスターを掲示し、休憩所として利用できるようにした。

 目黒区は、高齢者宅を担当者が訪問した際、熱中症のような症状が見られる場合には、必要に応じてゼリータイプの飲料などを配っている。

引用元:BIGLOBEニュース

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