元農水次官保釈される　保証金５００万円納付　長男殺害で実刑判決

　東京都練馬区の自宅で今年６月、当時４４歳の同居の長男を刺殺したとして殺人罪に問われ、懲役６年とされた元農林水産事務次官の熊沢英昭被告（７６）について、東京高裁（青柳勤裁判長）は２０日、保釈を認める決定を出した。保釈保証金は５００万円。熊沢被告は同日夜、東京拘置所（東京都葛飾区）から保釈された。殺人罪で実刑判決を受けた被告の保釈は異例。

　熊沢被告は今月１６日、東京地裁の裁判員裁判で実刑判決を言い渡され、弁護人が１７日に保釈を請求。地裁は１８日に却下する決定を出し、弁護人が１９日、決定を不服として東京高裁に抗告していた。

　熊沢被告は２０日午後７時前、スーツに白シャツ姿で玄関に現れ、弁護人とともにタクシーに乗り込み、拘置所を後にした。

　判決によると、熊沢被告は６月１日、自宅で長男英一郎さんを包丁で多数回刺し、殺害した。

　熊沢被告は、引きこもりがちだった英一郎さんから暴力を受けており、公判で弁護側は「経緯や動機に酌量の余地は大きい」として、執行猶予付き判決を求めていた。しかし、地裁は「強固な殺意に基づく危険な犯行で、結果は重大」などとして実刑判決を言い渡した。【田中理知】

引用元：BIGLOBEニュース