コロナ治療の「エクモ」で収賄疑い 医療機関の技士長ら逮捕 千葉

 新型コロナウイルス感染症の治療に使う人工心肺装置「エクモ」の納入を巡って、業者に便宜を図った見返りに現金を受け取ったとして、千葉県警は1日、「東千葉メディカルセンター」(千葉県東金市)臨床工学技士長、吉野英樹(62)=同市丘山台3=と、東京都豊島区の医療機器販売会社「日本メディカルオネスト」社長、真々部良輔(63)=練馬区早宮1=の両容疑者を贈収賄の疑いで逮捕した。認否を明らかにしていない。


【長沼辰哉、近森歌音、金沢衛】

 逮捕容疑は、2021年2月の同センターのエクモ納入を巡り、吉野容疑者は同社からエクモ1台(1793万円)を調達するよう受注会社などに指示して便宜を図り、同年3月中旬ごろ、見返りとして真々部容疑者が振り込んだ現金100万円を受け取ったとしている。

 同センターは東金市と九十九里町が設立した地方独立行政法人が14年に開設した公設病院で、職員は公務員とみなされる。

 県警によると、21年12月に匿名の内部告発があり、容疑が浮上した。県警は同日、東金署に捜査本部を設置した。

 吉野容疑者を巡っては21年12月、一部東金市議らに届いた告発文書の中で「1000万円で購入したエクモが、医療機器販売会社を介入させたために300万円高額になった」などとする疑惑が浮上し、同センターの内部調査で懲戒対象にあたると指摘していた。ただ利益供与があったことまでは調査しきれなかった。

 同センターによると、同容疑者は19年4月に採用され、臨床工学技士長として医療機器の管理や操作などを担当し、医療機器選定委員会委員として実質的な業者選定を担ってきた。内部調査で不正が指摘されたが同容疑者の処分は行わず、同選定委員会の委員を外した以外は通常勤務させていた。

 同センターを巡っては20年秋、インターネット上に告発文が掲載されて不適正な運営が発覚し、規定にない職員のお手盛り給与や特定業者への業務委託など多くの問題が明らかになった。今回の疑惑は、こうした問題が発覚して内部調査などが進められている最中に行われたとみられる。

引用元:BIGLOBEニュース

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