読書の秋!大泉図書館が地元に愛される4つの理由
蒸し暑い夏が去り、朝晩の冷え込みが感じられるようになりました。秋といえばのんびり読書。
大泉学園駅から少し離れた坂の上に位置する大泉図書館。活字離れが進む現代において、いまだ多くの利用者に支持されています。
住宅街の真ん中にある大泉図書館に何度も来たくなる特別な理由はなんだろう。その理由を探るべく実際にお邪魔してきました。
1.開放的な読書スペース
館内には多くの閲覧席が用意されていますが、なんといってもおススメは庭園です!
1階庭園には3つのベンチと銅像が。練馬区在住の彫刻家岸崎夜光氏の作品で、タイトルは「エチュード」。静かな館内での読書も集中できますが、木々に囲まれた空間で鳥のさえずりを聴きながらの読書もまた格別。春には桜も咲くこの場所は、穴場のお花見スポットかもしれません。
2階児童書室につながる庭園は開放的な空間です。風が抜けて本当に気持ちよかったです。館内はバリアフリーですので、ベビーカーや車いすの方も安心して利用できます。都内に居ながら開けた空の下で読書が出来る場所はかなりレア。芝生にはバッタやカマキリなどの虫が遊びに来ることも。昆虫図鑑を片手に観察するのもアリですね。
クリスマス期間には庭園中央の木にイルミネーションの飾りつけもされるそう。図書館にそんなロマンチックな場所があるとは・・・おみそれしました。
2.図書館スタッフの努力の結晶!様々な企画展示
館内を見回すと至るところに特集が組まれています。どれも目を惹くものが多く、これもそれもと手に取ってしまいたくなる本がたくさん見つかりました。入り口正面のコーナーでは、月替わりでテーマに沿った本の紹介をしています。こういったところで知らない本と出合えるのは嬉しいですよね。地域コーナーでは図書館スタッフの方が現地に出向き調査された結果が掲示されています。住み慣れた街でも、その地域の歴史や細かな地理って意外と知らない方が多いと思います。大泉学園ってどんなところ?そう考えるきっかけとして、図書館の展示は最適なものでした。
このように、図書館でのお仕事は本の貸出しだけではないのですね。外に出て撮影したり、地域の方へ取材をしたり、想像以上に幅広いお仕事です。所蔵する本を選ぶことを選書といいますが、これもお仕事の一つ。新着や人気の本以外にも大泉学園地域に関連するものや利用者からの声を参考にされているそうです。
マスコットキャラクターの『おおちゃん』・『いずみん』も図書館スタッフが作成。大泉図書館の特徴の一つである庭園をイメージしてできた、大泉図書館オリジナルキャラクターで、大泉図書館の事業や展示などに登場しています。子どもにも人気のありそうな可愛らしいキャラクターですね。
3.多様なイベントの数々
図書館は本の貸出しだけではなく、様々な催しがあります。地域とのつながりを活かし、「アニメプロジェクトin大泉」や近隣農家と連携した「ファーマーズマーケットat大泉図書館」など、地域の団体と協働して様々な事業に取り組んできました。参加受付開始して間もなく定員になってしまうような人気のイベントも多くあるそうです。これまで開催されたものの一部をご紹介します。今後の開催については図書館HPや館内案内をご確認ください。
古書リサイクル市
大泉図書館にある資料の数はなんと約22万冊。
そこで除籍した図書、保存期限の過ぎた雑誌、寄贈されたが所蔵とならなかった資料(一般本、雑誌)などを無償で提供するイベントを行っています。とても人気のあるイベントですが、今回は新型ウイルス完成症拡大防止のため、時間帯ごとに予約人数を制限した事前申込制として、混雑を避けられるよう調整がされました。
子育て家庭の読書支援のための図書館利用者向け託児サービス
子育て中でもゆっくり読書をしたい、そんなみなさんを応援するサービスです。読書を満喫している間は練馬区内の子育て支援団体が責任をもってお子さんを預かってくれます。1歳以上の未就学児を対象とし、無料で利用できます。こういったサービスがないとなかなか一人時間の確保はできないので、子育て中の方にはかなり嬉しいサービスですよね。
よみきかせ
対象年齢別で定期的に開催されています。図書館スタッフとボランティアの方が子どもたちに楽しい時間を提供してくれます。
・よみきかせ 毎週水曜
・おはなし会(素話) 第2土曜
・おてての会(乳幼児向けおはなし会) 第3火曜
子ども司書
小学校の夏休み期間に、図書館の仕事の一部を体験することが出来るイベントです。図書館で普段どんな仕事をしているのかを学び、実際に図書カウンターでのお仕事や「おはなし会」の読み聞かせを体験できます。最後に子ども司書認定証をもらえるので、子どもたちも大満足間違いなしですね。
4.地域住民と共に築いた40年の歴史
今年2020年2月に開館40周年を迎えた大泉図書館。1日に開館40周年を迎えた大泉図書館。大泉地域の多くの方が開館に携わりました。子どもたちに大人気の「こぐまちゃん」シリーズで有名な絵本作家・わかやまけん氏は、「大泉に地域図書館をつくる会」の代表者でもあり、開館告知のポスターや利用案内チラシのデザインも担当しました。開館3日後に亡くなった浜中館長の香典で、外国の絵本が寄贈された浜中文庫が1階にあります。
また、近隣の小中学校13校に対し「学校支援モデル事業」を展開しており、学校への図書の貸出し(団体貸出)も多くあります。本友(ブックフレンズ)委員会では、大泉図書館の青少年コーナーを使いやすくするために、本の展示や読書会などの活動をしています。
―図書館はどなたでも気軽に来られる場所。これからも地域の皆さまに寄り添っていきたい。
そうお話しくださったのは大泉図書館館長さん。司書に憧れを抱いてから現在に至るまで、「本を介して人の役に立ちたい」という信念をずっと変わらず持っているそうです。なりたい職業ランキングに今もなおランクインする司書。司書になるには、「本が好き」でも「静かなところが好き」でもなく、「人が好き」ということが重要とのこと。利用者に気持ちよく図書館を利用してもらうためのお手伝いをしたい、そういった気持ちが大切なのですね。小さな子供だったあの子がもう学生に、最近見かけないあの人は元気かな、図書館で働いていると利用者の生活の一部にも携わることが出来ます。街の図書館ならではのやりがいを感じることもできそうです。
まとめ
館内にはリラックスして読書を楽しむ多くの方がいらっしゃいました。静かな中にも活気を感じる、素敵な雰囲気です。新型コロナウイルスの影響により今年4月11日から約2か月の臨時休館の後、5月28日からの第一段階、6月17日からの第二段階を経て、第三段階として7月1日からは閲覧席の利用制限を設けたうえで開館しています。図書館では今現在も慎重に感染防止対策をおこなっています。それに伴い来館者数は例年より減少傾向にあるが、貸出数はそこまで大きく減少していないといいます。思うように外出が出来ずストレスを感じている方も読書を通して心にゆとりを持つことが出来るでしょう。大泉図書館が目指すのは、地域の皆さんに親しまれる『くらしに役立つふれあいの図書館』。この先10年、20年と変わらず地域をつなぐ図書館として利用していきたいです。
休館日:第3月曜を除く月曜日(祝休日があたるときは開館し、直後の祝休日でない日が休館日)
年末年始(12月29日~1月4日)
開館時間:平日9時~20時、土日祝日9時~19時
住所:〒178-0061 練馬区大泉学園町2-21-17
アクセス: 西武池袋線「大泉学園駅」北口から徒歩15分、西武バス「住宅前」から徒歩2分(障害者用に3台分駐車場あり)
設備:誰でもトイレ(車いすの方も利用可)、エレベーター、ベビーベッド、(授乳室内)、ベビーチェア、授乳スペース、大型ベッド、オストメイト配慮設備あり
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