【江古田駅】レゲエ×ラーメン「ラハメン ヤマン」

好きと好きを叶えた隠れ家的なお店

西武池袋線の江古田駅北口を出て、商店街の喧騒から少し離れた住宅街の中に、今回お目当てのお店「ラハメン ヤマン」はありました。
練馬区東税務署の向かい側にある蔦の絡まった建物には「yahman」の看板とジャマイカの国旗。

中に入ると、至る所にレゲエの神様ボブ・マーリーのポスターとラスタカラーの配色が目に飛び込んできます。L字カウンター9席のみと決して広いとはいませんが、間接照明だけで照らされた木目調の店内はどこか落ち着いていて居心地の良さを感じます。店内を流れるレゲエがまた心地よく、なんだか日常を忘れさせてくれる空間。



外観、内観ともに、ラーメンが出てくる要素は微塵も感じないのですが、よくよく見ると、置いてある雑誌はラーメンのものばかり。
ラーメン屋さんって「テキパキ」とか、こだわりが強いお店は「寡黙」なイメージがあったので、気合いを入れて行ったのですか、店主の町田好幸さんがとてもいい緩さで迎えてくれて、逆にこちらが拍子抜けしてしまうほどでした。

メニューは定番メニューの他に、汁なしの「あぶらは」。そして、15時までのランチセットならぬ「らはんち・セット」と15時以降にしか食べることができない「JUNKらはめん」があります。
何より私が気になったのは、「あるとき限定ザンネン玉子」。形が崩れた煮玉子のことなのですが、逆に出会えたらラッキーなレアキャラ。しかも、このポップ、あることをしないと見つけられないんです。是非探してみてください。

いざ、実食!

たくさんのメニューに目移りしながらも、やはり、ここに来たからには店名にもなっている「らはめん(770円)」をオーダー。
今となっては珍しい大きな釜で一玉ずつ茹で、平ザルで湯切りをするスタイル。「ホントはテボの方が、時間差でいくつか麺を茹でられて効率いいんでしょうけどね」と言いながら湯切りをする町田さんの後ろ姿は職人そのもの。


美しく整えられた麺線の上にはシンプルにチャーシュー1枚、江戸菜、メンマ、ネギ、海苔のトッピング。
何よりも褐色のスープに「なんて綺麗なラーメン」と思わず心の声が漏れてしまいました。
「らはめん」は化学調味料無添加の醤油ラーメン。トリとブタの動物系スープと節系スープを合わせたWスープに、醤油は国産のものを使用。一口飲むと口の中にまろやかでふくよかな味わいが広がります。なんとも優しくてホッとする味。
「化学調味料無添加にこだわっているのはなぜですか?」と聞くと、ご自身が化学調味料をあまり使わないご家庭で育ったこと、そして、「たくさん出汁をとっているのに、化学調味料を入れたら全て台無しにしてしまう気がして」と教えてくれました。そんな「らはめん」のスープはたくさん飲んでも喉が渇くことがなく、最後の一滴まで飲み干したくなるほどでした。
また、スープはその時の町田さんの「考え方」によって少しずつ「進化」もしているそう。止まることのないラーメンへの愛・探究心が伺えます。

そして、もっちもちの中太麺はなんと自家製。これが中盛りも大盛りも無料で変更できるというのだから驚き!天気や季節によって水分量を変えているそうです。仕込みは大体朝の7時半頃から。
「スープの仕込みだけでも大変なのに、麺まで自家製ってしんどくないですか?」と聞くと「自分で作った麺の方が美味しいから」とさらり。どこまでも職人です。

気になる店名の理由は

ここでずっと気になっていた屋号「ラハメン ヤマン」の意味を聞いてみました。「ラハメン」は町田さんが作った造語なんだそう。当時、ジャマイカに「ラーメン」という言葉がなく、もしパトワ語で言うとしたら「ラハメン」と発音するんじゃないかと。また、「ヤーマン」はパトワ語で「やぁ」や「レッツゴー」などポジティブな意味で使われる言葉。現地の方は常に「ヤーマン」と言っているのだとか。

そんな町田さんがレゲエにハマったのが高校生の頃。その頃、すでにラーメン本を片手にラーメン巡りをするほどラーメンも大好きで、「好きなものが2つ一緒になったら幸せなんじゃないか」という思いからこの「ラハメン ヤマン」が誕生しました。
「ラーメンやるなら醤油でしょ!」と思って取り組んだものの、最初に完成したのは実は塩ラーメン。醤油はかなり苦戦したそうです。

町田さんにとっての練馬は生まれ育ったすごく好きな町。大きな公園もたくさんあるし、変に都会じゃないところがいいと話してくれました。また最初から「商売をするなら江古田がいいな」とぼんやりと考えていたんだとか。それも商店街ではなく、少し外れた知る人ぞ知る隠れ家的な場所で。開店当初は「ラーメン屋」であることもバレないようにしていたそう。「口コミが1番強いから」と。

開店して18年。小さかった子の成長の過程を目にしたり、親になり、子供を連れて食べに来るお客さんも多いようで、街の人に愛されているのが伝わってきます。真摯にラーメンと向き合ってる町田さんの「らはめん」は「ただいま」と言いたくなるような、ふるさとの味なのかもしれません。
心地よいレゲエを聴きながら、こだわり抜いた一杯をいただける「ラハメン ヤマン」。慣れ親しんだ人だけでなく、初めての人でも一気にアットホームな場所に様変わりすること間違いなしです。

合言葉はまさに、「ヤーマン」

ご馳走さまでした。

店舗情報
店名:ラハメン ヤマン
営業時間:11:30〜16:00/18:00〜21:00 (現在コロナ自粛のため20:00閉店)
定休日:木曜日
住所:東京都練馬区栄町22-1
アクセス:西武池袋線の江古田駅北口より徒歩5分、西武有楽町線の新桜台駅より徒歩3分

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