
大泉学園に突然あらわれた中東料理店「Nana’s King」へ。サウジアラビアンカブサは、駅前の日常をちょっと変える一皿。
大泉学園に住んでいると、駅前のちょっとした変化に敏感になります。新しいマンションが建ったとか、長く続いていた店が閉まったとか、看板が変わったとか。毎日通る道だからこそ、「あれ、ここ前は何だったっけ?」という小さな違和感にすぐ気づくものです。そんな大泉学園の駅前で、最近ひときわ気になっていたのが「Nana’s King – 大泉学園/中東料理」です。
場所は、以前「うどんそば松本」があった跡地。あの場所に中東料理の店が入ったと聞けば、大泉学園の住民なら少し驚くはずです。昔ながらのそば・うどんの店があった場所に、サウジアラビアの料理。なかなか振り幅が大きい。駅前の景色はいつも少しずつ変わっていきますが、ここまで空気が変わると、つい足を止めたくなります。
大泉学園は、良くも悪くも“ちゃんと生活の街”です。観光地のように派手な店が並ぶわけではありません。スーパーがあり、ドラッグストアがあり、町中華があり、居酒屋があり、家族連れが歩き、学生が自転車で通り過ぎる。そんな日常の街に、突然「中東料理」という選択肢ができた。この違和感が、まず面白いのです。
うどんそば松本の跡地というだけで、地元民は気になっていた
大泉学園で長く暮らしている人ほど、「うどんそば松本の跡地」と聞くと、なんとなく場所が浮かぶのではないでしょうか。あの場所は、特別に目立つようでいて、実は日常に溶け込んでいた場所です。通勤や買い物の途中、何度も前を通った人も多いでしょう。
そこにオープンしたNana’s Kingは、以前の空気とはまったく違います。店名からして少し異国感がありますし、「中東料理」という言葉も、大泉学園駅前ではまだ珍しい響きです。池袋や新宿なら分かる。上野や新大久保なら分かる。でも、大泉学園です。そこがいい。
地元の飲食店というのは、味だけでなく「街の中でどう見えるか」も大事です。Nana’s Kingは、単に珍しい料理を出す店というより、大泉学園の食の幅を少し広げてくれる存在に見えます。ラーメン、そば、定食、焼肉、居酒屋。いつもの選択肢に少し飽きたとき、「今日は中東料理にしてみるか」と言える街は、なかなか悪くありません。
おすすめはサウジアラビアンカブサ。おそらく店の一番人気



Nana’s Kingでまず食べてほしいのが「サウジアラビアンカブサ」です。おそらくこの店の一番人気メニューではないでしょうか。メニュー名だけ聞くと少し構えてしまいますが、実物を見ると一気にテンションが上がります。
大皿に盛られたバスマティーライス。その上に豪快な鶏肉。さらにハンバーグまで添えられています。鶏肉は小さな切り身ではなく、しっかり主役として存在感のあるサイズ。見た瞬間、「これは腹を空かせて来る料理だ」と分かります。
しかも、ただ量が多いだけではありません。香りがいい。皿が運ばれてきた瞬間に、スパイスの香りがふわっと広がります。カレーのように分かりやすく刺激的というより、もっと奥にじわっと入ってくる香りです。日本の定食とはまったく違うのに、なぜか不思議と落ち着く。初めて食べるのに、どこか懐かしいような感覚すらあります。
大泉学園でこの香りに出会えるとは思いませんでした。駅前で買い物をして、帰りにカブサを食べる。なかなか妙な日常ですが、こういう予想外の店があると街は面白くなります。
そもそもカブサとは何か
カブサとは、サウジアラビアをはじめとするアラビア半島周辺で親しまれている米料理です。簡単に言えば、スパイスを使った炊き込みご飯のような料理です。ただし、日本の炊き込みご飯とはかなり性格が違います。
日本の炊き込みご飯は、醤油や出汁のうま味を米に含ませ、しっとりとまとめる料理です。一方、カブサはスパイスと肉の旨味、そして香りのよい長粒米を組み合わせた料理。米が主食でありながら、香りそのものを食べるような感覚があります。


世界には米料理がたくさんあります。スペインにはパエリア、インド周辺にはビリヤニ、中央アジアにはプロフ、日本には炊き込みご飯や丼ものがあります。カブサもその流れにある、地域を代表する米料理です。つまりカブサは、単なる珍しい外国料理ではなく、サウジアラビアの食文化を背負った一皿なのです。
こういう料理を大泉学園で食べられるというのは、なかなか贅沢です。わざわざ都心に行かなくても、地元で異国の主食文化に触れられる。これは地味にすごいことです。
バスマティーライスのすばらしさを知る
サウジアラビアンカブサの魅力を語る上で、バスマティーライスは外せません。むしろ、この料理の主役は鶏肉ではなく米かもしれません。
日本人にとって米といえば、ふっくら、もちもち、つやつやが正義です。コシヒカリのような粘りのある短粒米に慣れていると、細長くてパラパラしたバスマティーライスは最初だけ少し不思議に感じます。しかし食べ進めると、この米でなければ成立しない料理があることに気づきます。
バスマティーライスは一粒一粒が軽い。べたつかず、口の中でほどけます。そこにスパイスの香りと肉の旨味が絡む。粘りが少ないからこそ、重くならない。大皿で出てきても最後まで食べられるのは、この米の軽さがあるからです。
日本米で同じ料理を作ったら、おそらく途中で重たくなるでしょう。もちろん日本米には日本米の良さがあります。おにぎりや寿司、白米と味噌汁の組み合わせは、日本米だからこそ成立します。しかしカブサにはバスマティーライスが必要です。米が違えば料理の思想そのものが変わる。そう思わせるほど、バスマティーライスはこの料理の中心にいます。
そして香りがいい。バスマティーライスは「香り米」と呼ばれることもあり、炊き上がりに独特の上品な香りがあります。派手ではありませんが、食欲をゆっくり引き上げてくれる香りです。スパイスと合わさることで、ただのご飯ではなく、料理全体の空気をつくっています。
大泉学園で暮らしていると、普段の食事はどうしても決まったパターンになりがちです。昼はラーメン、夜は定食、週末は焼肉か居酒屋。そこにバスマティーライスという選択肢が入ってくるだけで、食事の景色が変わります。
むね肉一枚とハンバーグ。この豪快さがいい
Nana’s Kingのサウジアラビアンカブサは、鶏肉の迫力も魅力です。皿の上にどんと乗った鶏肉は、見るからに食べ応えがあります。柔らかく火が入っていて、スパイスの香りをまといながらも、肉の旨味がしっかり残っています。
そこにハンバーグが加わるのが面白いところです。サウジアラビアの料理にハンバーグという組み合わせは、最初は少し不思議です。でも、実際に食べると違和感はありません。むしろ、米と肉の満足感がさらに強くなります。
これは本場そのままというより、大泉学園で食べるカブサとしての魅力かもしれません。異国料理でありながら、どこか地元の食堂らしいサービス精神がある。難しい顔をして食べる料理ではなく、「腹いっぱい食べていってください」という勢いがあります。
中東料理と聞くと、少しおしゃれで小難しいイメージを持つ人もいるかもしれません。でもNana’s Kingのカブサは、もっとたくましい料理です。香りは異国、量は食堂、満足感は定食。そこがいいのです。
着席したら即出てくるスープが絶品
個人的にかなり印象に残ったのが、着席してすぐに出てくるスープです。こういうサービスのスープは、正直そこまで期待しないこともあります。メイン料理の前に少し口を温める程度だろう、と。
しかしNana’s Kingのスープは、きちんとうまい。しかも、かなりうまい。
一口飲むと、じんわり体に入ってきます。派手な味ではありません。スパイスで押してくる感じでもありません。けれど、しっかり旨味があり、飲み終わるころには「この店、ちゃんとしているな」と思わせてくれます。
カブサのような香りの強い料理の前に、このスープが出てくるのはとても良い流れです。いきなりスパイスの世界に突入するのではなく、まず温かいスープで胃袋を起こしてくれる。これがあるだけで食事全体の印象が変わります。
地元の店で大事なのは、こういう小さな部分です。メイン料理がうまいのはもちろん大切ですが、最初に出てくる一杯のスープがうまい店は信用できます。厨房がちゃんと料理に向き合っている感じが伝わるからです。
大泉学園にこういう店があるのは、けっこう嬉しい
Nana’s Kingの魅力は、珍しい料理が食べられることだけではありません。大泉学園のような生活の街に、こういう少し尖った店があること自体が嬉しいのです。
都心まで行けば、世界中の料理があります。でも、地元でそれが食べられる意味は大きい。仕事帰りに寄れる。買い物ついでに行ける。休日に家族で試せる。近所の人に「あそこ行った?」と話せる。店が街の会話になるのです。
大泉学園は、落ち着いた暮らしやすい街です。ただ、その分、食の選択肢が少し保守的に感じることもあります。だからこそNana’s Kingのような店は貴重です。いつもの街に、知らない国の香りを持ち込んでくれる。こういう店が一軒あるだけで、駅前の印象は少し変わります。
もちろん、まだ中東料理に馴染みのない人も多いでしょう。店の前を通って気になっているけれど、入る勇気がないという人もいるかもしれません。でも、サウジアラビアンカブサは意外と入り口としてちょうどいい料理です。米料理なので日本人にも分かりやすい。鶏肉も食べやすい。スープも優しい。初めてでも置いていかれる感じがありません。
町の記憶は変わっていく
うどんそば松本の跡地に中東料理店ができた。この事実だけを見ると、時代が変わったなと思います。昔ながらの店がなくなる寂しさもあります。けれど、その場所に新しい店が入り、新しい人が集まり、新しい味が街に加わっていく。それもまた、町の自然な変化です。
大泉学園は、昔のまま止まっている街ではありません。少しずつ変わりながら、それでも生活の温度を残している街です。Nana’s Kingは、その変化を象徴するような店かもしれません。
駅前でサウジアラビアンカブサを食べる。冷静に考えると、なかなか不思議な体験です。でも、その不思議さがいい。知らない料理に出会うと、いつもの街が少しだけ広く感じます。大泉学園から一歩も出ていないのに、少し遠くまで行った気分になる。食事にはそういう力があります。
まとめ
Nana’s Kingは、大泉学園の駅前にできた中東料理店です。うどんそば松本の跡地という、地元の人には馴染みのある場所にオープンしたこともあり、気になっていた人は多いはずです。
おすすめは、サウジアラビアンカブサ。香り高いバスマティーライスに、豪快な鶏肉とハンバーグがのった満足度の高い一皿です。カブサはサウジアラビアを代表する米料理で、スパイス、肉、米の香りを一緒に楽しむ料理。バスマティーライスの軽やかさと香りがあるからこそ、最後まで飽きずに食べられます。
そして、着席後すぐに出てくるスープも見逃せません。メインの前の一杯としては十分すぎるほどおいしく、この店の丁寧さを感じさせてくれます。
大泉学園で少し変わったものを食べたい日。いつものラーメンや定食ではなく、少しだけ旅気分を味わいたい日。そんな日にNana’s Kingはかなりおすすめです。中東料理に詳しくなくても大丈夫です。まずはサウジアラビアンカブサを頼んでみてください。大泉学園の駅前に、こんな味があったのかと少し驚くはずです。



おすすめメニュー:サウジアラビアンカブサ
特徴:バスマティーライス、鶏肉、ハンバーグ、着席後に提供されるスープ
場所:うどんそば松本の跡地
エリア:東京都練馬区・大泉学園駅周辺
コメント ( 0 )
トラックバックは利用できません。








この記事へのコメントはありません。